今日の読書 夜がどれほど暗くても/中山七里
芸能スキャンダルを中心としたゲスな話題で売り上げを保っている週刊誌の副編集長の息子が殺人事件を起こし、同時に現場で無理心中を起こし死んでしまった。
事件加害者の親として、容疑者である息子が死んでいる事もあり絶対的な悪として扱われ、それまで取材する側から一転取材される側に回る事になる。
取材する側というある意味安全圏であった立場が、取材される側として矢面に立たされ、またSNSの発達により誰もが拡散する側になる時代、正義という名の容赦ない攻撃が剥き出しに襲いかかってくる。
悪と見なしたものを全否定し自分は正義面して容赦なく攻撃しやすい現在、SNSが発達する前からマスメディアが売り上げのために物事を単純化し、善悪二元論を蔓延させ、怒りを日常生活にしみこませていた結果がそのまま跳ね返るという、それだけ考えると自業自得でもあるのですが、現在の社会状況を単純な善悪二元論で説明しようとする弊害を存分に利用した作品になっています。
どんでん返しの帝王という異名は作家としてある程度枷を嵌められた状況かなとは思うのですが、その異名を返上する気はないらしく、終盤一気に物語が収束するのは変わらず、タイトルに話の着地点がある程度予測出来るようにはなっています。
改めて、善悪二元論的な思考って危険だよねって、自分が気にくわない事に対して主語を大きくして一般的な総意かのようにして全否定する人には気付いて欲しいと思わせる内容になっています。
事件加害者の親として、容疑者である息子が死んでいる事もあり絶対的な悪として扱われ、それまで取材する側から一転取材される側に回る事になる。
取材する側というある意味安全圏であった立場が、取材される側として矢面に立たされ、またSNSの発達により誰もが拡散する側になる時代、正義という名の容赦ない攻撃が剥き出しに襲いかかってくる。
悪と見なしたものを全否定し自分は正義面して容赦なく攻撃しやすい現在、SNSが発達する前からマスメディアが売り上げのために物事を単純化し、善悪二元論を蔓延させ、怒りを日常生活にしみこませていた結果がそのまま跳ね返るという、それだけ考えると自業自得でもあるのですが、現在の社会状況を単純な善悪二元論で説明しようとする弊害を存分に利用した作品になっています。
どんでん返しの帝王という異名は作家としてある程度枷を嵌められた状況かなとは思うのですが、その異名を返上する気はないらしく、終盤一気に物語が収束するのは変わらず、タイトルに話の着地点がある程度予測出来るようにはなっています。
改めて、善悪二元論的な思考って危険だよねって、自分が気にくわない事に対して主語を大きくして一般的な総意かのようにして全否定する人には気付いて欲しいと思わせる内容になっています。