今日の読書 夢魔の牢獄/西澤保彦
夢の中で誰かの視点で当事者の行動を追体験出来る能力、意識は完全に同じ所にあるが、自分が何か行動を起こすことは出来ないし、追体験している人間の意思、感情などなどは理解出来ない。
そういった能力を持っている男が22年前である1988年に身近で起きた迷宮入りした殺人事件の関係者達に憑依する事になり、事件の真相を考える事になるという話になります。
タイムリープものというSFの定番能力の1つになるとは思いますが、西澤保彦作品らしいのは、自分の意思で狙って時間や人物を設定して出来る事では無く、たまたま夢の中で経験するという制限がありまくりのものであること。
SF設定の仕方だけではなく、バブル華やかし頃の時期設定であるとか、主人公が教師であるとか、交友関係は吹奏楽部の仲間であるとか、早い段階で分かる物だけではなく、話が進んでいくことによって明らかになる個々人の性格であるとか諸々西澤保彦作品以外の何物でも無いよなというものが目白押し。
過去に使った題材を持ち寄って、今の時代の自分だから書けるものとして組み替えて作品を作ったらばどうなるのかという制限をかけた実験作なのではないかと勝手に思ってしまうレベルですね。
実際にそういう狙いがあるのかどうか分かりませんが、作品内に起きた事件の真相に関しては、過去作品の焼き直し感はないので、実は常連読者に向けての壮大なミスリードなのかもしれないと思ったり。
そういった能力を持っている男が22年前である1988年に身近で起きた迷宮入りした殺人事件の関係者達に憑依する事になり、事件の真相を考える事になるという話になります。
タイムリープものというSFの定番能力の1つになるとは思いますが、西澤保彦作品らしいのは、自分の意思で狙って時間や人物を設定して出来る事では無く、たまたま夢の中で経験するという制限がありまくりのものであること。
SF設定の仕方だけではなく、バブル華やかし頃の時期設定であるとか、主人公が教師であるとか、交友関係は吹奏楽部の仲間であるとか、早い段階で分かる物だけではなく、話が進んでいくことによって明らかになる個々人の性格であるとか諸々西澤保彦作品以外の何物でも無いよなというものが目白押し。
過去に使った題材を持ち寄って、今の時代の自分だから書けるものとして組み替えて作品を作ったらばどうなるのかという制限をかけた実験作なのではないかと勝手に思ってしまうレベルですね。
実際にそういう狙いがあるのかどうか分かりませんが、作品内に起きた事件の真相に関しては、過去作品の焼き直し感はないので、実は常連読者に向けての壮大なミスリードなのかもしれないと思ったり。