今日の読書 茶聖/伊東潤
茶聖というタイトルにあるように千利休を主人公にした歴史小説になります。
伊東潤作品で千利休というと、『天下人の茶』という千利休の死の謎について、弟子達を主人公にして弟子視点から迫る連作短編型ミステリーのようにした作品がありましたが、今回は千利休を主人公にして、千利休の視点や思惑から豊臣秀吉の側近となった経緯、最終的に切腹を命じられるまでの流れに繋がっていく物語とする、歴史小説としては王道の形のものになっています。
千利休は茶の湯を使い、世の中の静謐を目指したという軸の元に、茶の湯という芸術と政治との繋がり、武将と商人の立場や思惑の違いなど秀吉と協力関係でありながら、互いに利用し合うがために危険な綱渡りとなったりと、かなりスリリングな展開で楽しめるものになっています。
伊東潤の描く秀吉像は欲望が原動力ゆえに暴走していかざるをえないというのがありますが、暴走を止める役として利休が存在する事に意味があるところから、邪魔なそんざいへと変わっていく感じが非常に分かりやすく描かれているのですよね、優秀な人物である事は間違い無いけれども欲望のままに突き進む事によって陥ることがある、こういう描き方は初期作品から逆に敗者が優秀であっても己の欲望に突き進まない、突き進めない弱さを持っているというのと対になっているというか、描き方が凄く好みですね。
伊東潤作品で千利休というと、『天下人の茶』という千利休の死の謎について、弟子達を主人公にして弟子視点から迫る連作短編型ミステリーのようにした作品がありましたが、今回は千利休を主人公にして、千利休の視点や思惑から豊臣秀吉の側近となった経緯、最終的に切腹を命じられるまでの流れに繋がっていく物語とする、歴史小説としては王道の形のものになっています。
千利休は茶の湯を使い、世の中の静謐を目指したという軸の元に、茶の湯という芸術と政治との繋がり、武将と商人の立場や思惑の違いなど秀吉と協力関係でありながら、互いに利用し合うがために危険な綱渡りとなったりと、かなりスリリングな展開で楽しめるものになっています。
伊東潤の描く秀吉像は欲望が原動力ゆえに暴走していかざるをえないというのがありますが、暴走を止める役として利休が存在する事に意味があるところから、邪魔なそんざいへと変わっていく感じが非常に分かりやすく描かれているのですよね、優秀な人物である事は間違い無いけれども欲望のままに突き進む事によって陥ることがある、こういう描き方は初期作品から逆に敗者が優秀であっても己の欲望に突き進まない、突き進めない弱さを持っているというのと対になっているというか、描き方が凄く好みですね。