fc2ブログ

今日の読書 南北戦争/小川寛大

副題が『アメリカを二つに裂いた内戦』とあるように1861年から1865年にかけて行なわれたアメリカ史上最大の犠牲者をだした戦争である南北戦争について、初心者向けに書かれたものになります。

アメリカの南北戦争というと浅い知識でいうと、黒人奴隷皇帝派の南部と、黒人奴隷解放派の北部が戦い共和党率いるリンカーンの北部が勝利しの黒人奴隷解放へという表看板になるという感じのものですね。

そういった浅い知識も表面的には間違いでは無いけれども、南部と北部の違いとして南部に分類される州、地域は綿花のほぼモノカルチャーで回していて奴隷労働者が重要、北部は工業化していて単純労働者としての黒人奴隷の需要がなく、根本的に黒人奴隷になじみがないので南部と北部で常識そのものが違う、南部が悪で北部が善という単純構造では決してないという事で、ここら辺歴史あるあるで勝者と敗者は善と悪の結果ではなく、勝者が何となく善である表看板をもって行くという事ですね。

南部の黒人奴隷に対する姿勢は決して褒められたものではないですが、あの当時の白人キリスト教徒にあらずば人に非ずという価値観はある種の普遍性があり、南部はより労働力として黒人を家畜と同等に見なす経済構造だったという事になります。

結果として北部が勝つわけですが、面白いなと思うのは南部の敗戦要因というか甘い見通しとして綿花栽培が世界的に重要な物資として評価していて、ヨーロッパに向けて輸出禁止にして、輸出して欲しければ南部に協力しろと脅しをかけたのが、インドが綿花原産地としてイギリスがすでに抑えていて、売らなくても構わないよとしていて、逆に北部が鉄道開通を狙っていて良い投資対象となっていて、北部に資金が集まっていたと言う事ですね。

一次産業の南部が負けて、二次産業の北部が勝ったという視点であったり、外交姿勢の取り方が明暗を分けたというようなもの、これは現代でも通用する考え方だなぁと。

あと面白いのはリンカーン大統領、暗殺されたことによって評価が上がったというのも現代でも良くある話、殺されるまでしないでも短期間で辞める事によってボロを出さずにすむというのもあるよなって。

現在アメリカは人種差別問題を前面に出して国家分裂とまではいかなくても、国家として一体感を失っています。

個人的に人工国家アメリカは上手くいかない時にこらえ性なくバラバラになる事も十分あり得る、危うい状況が潜在的にあるからこそ常に外敵を作って国内問題から目をそらし続けないといけないものだと考えています。

南北戦争再びをするには州によって色分けがしっかりとしていない現在、危うい国内情勢をどう収めるのか分からないですが、アメリカ国民は南北戦争という歴史から何か学び取るのかどうか気になりますね。

ただ、移民を入れすぎたせいで南北戦争当時のアメリカと自分は一切関係無い、共感すべきものが無いというのは危ういのではないかと勝手に思うのですが、そう思う事そのものがレイシスト扱いされそうな複雑な時代ですよね。


第1章 国家分裂から開戦までの道のり 1861年
第2章 アナコンダ計画のキバ 1862年
第3章 ゲディスバーグという分岐点 1863年
第4章 大流血 1864年
第5章 南部連合の崩壊とリンカーンの死 1865年今日の読書 南北戦争/小川寛大
副題が『アメリカを二つに裂いた内戦』とあるように1861年から1865年にかけて行なわれたアメリカ史上最大の犠牲者をだした戦争である南北戦争について、初心者向けに書かれたものになります。

アメリカの南北戦争というと浅い知識でいうと、黒人奴隷皇帝派の南部と、黒人奴隷解放派の北部が戦い共和党率いるリンカーンの北部が勝利しの黒人奴隷解放へという表看板になるという感じのものですね。

そういった浅い知識も表面的には間違いでは無いけれども、南部と北部の違いとして南部に分類される州、地域は綿花のほぼモノカルチャーで回していて奴隷労働者が重要、北部は工業化していて単純労働者としての黒人奴隷の需要がなく、根本的に黒人奴隷になじみがないので南部と北部で常識そのものが違う、南部が悪で北部が善という単純構造では決してないという事で、ここら辺歴史あるあるで勝者と敗者は善と悪の結果ではなく、勝者が何となく善である表看板をもって行くという事ですね。

南部の黒人奴隷に対する姿勢は決して褒められたものではないですが、あの当時の白人キリスト教徒にあらずば人に非ずという価値観はある種の普遍性があり、南部はより労働力として黒人を家畜と同等に見なす経済構造だったという事になります。

結果として北部が勝つわけですが、面白いなと思うのは南部の敗戦要因というか甘い見通しとして綿花栽培が世界的に重要な物資として評価していて、ヨーロッパに向けて輸出禁止にして、輸出して欲しければ南部に協力しろと脅しをかけたのが、インドが綿花原産地としてイギリスがすでに抑えていて、売らなくても構わないよとしていて、逆に北部が鉄道開通を狙っていて良い投資対象となっていて、北部に資金が集まっていたと言う事ですね。

一次産業の南部が負けて、二次産業の北部が勝ったという視点であったり、外交姿勢の取り方が明暗を分けたというようなもの、これは現代でも通用する考え方だなぁと。

あと面白いのはリンカーン大統領、暗殺されたことによって評価が上がったというのも現代でも良くある話、殺されるまでしないでも短期間で辞める事によってボロを出さずにすむというのもあるよなって。

現在アメリカは人種差別問題を前面に出して国家分裂とまではいかなくても、国家として一体感を失っています。

個人的に人工国家アメリカは上手くいかない時にこらえ性なくバラバラになる事も十分あり得る、危うい状況が潜在的にあるからこそ常に外敵を作って国内問題から目をそらし続けないといけないものだと考えています。

南北戦争再びをするには州によって色分けがしっかりとしていない現在、危うい国内情勢をどう収めるのか分からないですが、アメリカ国民は南北戦争という歴史から何か学び取るのかどうか気になりますね。

ただ、移民を入れすぎたせいで南北戦争当時のアメリカと自分は一切関係無い、共感すべきものが無いというのは危ういのではないかと勝手に思うのですが、そう思う事そのものがレイシスト扱いされそうな複雑な時代ですよね。


第1章 国家分裂から開戦までの道のり 1861年
第2章 アナコンダ計画のキバ 1862年
第3章 ゲディスバーグという分岐点 1863年
第4章 大流血 1864年
第5章 南部連合の崩壊とリンカーンの死 1865年

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

おまけ

カレンダー
06 | 2021/07 | 08
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

茶留蔵

Author:茶留蔵
心身ともに不健康で知性が大いに不自由な社会不適合者

タグ
おまけ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
現在の閲覧者数:
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
ニューリリース
メタル
QRコード
QR
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる