今日の読書 新風記/吉川永青
「古事記」「日本書紀」をベースに初代天皇とされている神武天皇が天皇となる前、日向の里から豊葦原へと向かういわゆる神武東征録を描く歴史小説になります。
この時代の歴史小説というのは珍しいというか、いわゆる記紀しか残っていない時代ですので元ネタとなる史料が少なく、また伝説だからという事で話を盛っている扱いで歴史小説にするのはどうだろうという二の足を踏むに十分なものがあったり、天皇を主人公にするという事が色々と社会的に面倒な物になり得るとかあったりもしますね。
記紀に記されていることは、話を盛っていたとしても基本線事実という前提で、話を膨らませて歴史小説にまとめ上げたことそのものも面白いですし、日向から豊葦原を目指す理由からそこまでの旅路はちょっとした冒険ものですし、結果的に東征となる流れも歴史小説らしいものになっていて、戦国時代の小説とはまた違った形での戦を表わしていたり楽しめるものになっています。
戦時中までのいわゆる皇国史観からの反動で古事記をはじめ日本の神話を全否定したがる教育がはびこってしまいましたが、歴史に残る史料をエンターテインメントに有効活用すると言う事を封印するのは勿体ない、むしろエンターテインメントとして昇華する事によって、変な思想利用や歴史利用から逃れることに繋がると思いますので、この時代の歴史小説というのも多く出現してくると良いと思いますし、元ネタとなる記紀の常識も今以上に一般化されるといいなと思うのですよね。
この時代の歴史小説というのは珍しいというか、いわゆる記紀しか残っていない時代ですので元ネタとなる史料が少なく、また伝説だからという事で話を盛っている扱いで歴史小説にするのはどうだろうという二の足を踏むに十分なものがあったり、天皇を主人公にするという事が色々と社会的に面倒な物になり得るとかあったりもしますね。
記紀に記されていることは、話を盛っていたとしても基本線事実という前提で、話を膨らませて歴史小説にまとめ上げたことそのものも面白いですし、日向から豊葦原を目指す理由からそこまでの旅路はちょっとした冒険ものですし、結果的に東征となる流れも歴史小説らしいものになっていて、戦国時代の小説とはまた違った形での戦を表わしていたり楽しめるものになっています。
戦時中までのいわゆる皇国史観からの反動で古事記をはじめ日本の神話を全否定したがる教育がはびこってしまいましたが、歴史に残る史料をエンターテインメントに有効活用すると言う事を封印するのは勿体ない、むしろエンターテインメントとして昇華する事によって、変な思想利用や歴史利用から逃れることに繋がると思いますので、この時代の歴史小説というのも多く出現してくると良いと思いますし、元ネタとなる記紀の常識も今以上に一般化されるといいなと思うのですよね。