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今日の読書 邯鄲の島遥かなり 下/貫井徳郎

一ノ屋という特殊な家系がある離れ小島である神生島を舞台にした物語の下巻になります。

最終巻は14部から17部まで、二次大戦の終戦後の復興から始まり、長嶋茂雄に憧れる野球少年の高校野球、そして最後は平成終盤から令和突入まで。

復興期から一ノ屋の血筋というものが島ではどんどん意識されなくなり、イチマツの記憶を持つ人達も代替わりでいなくなったことも含め、特殊な離島の物語というものから、東京の離島の昭和という感じになりますし、それこそ野球の物語は最初から単体でこの時代の青春ものとして独立させてもいいんじゃ無いかというくらい、それまでのものとはガラッと変化します。

特殊な離島の物語という島そのものが主人公であり、島内だけに通用する習慣や伝承が交通機関の発達、ラジオやテレビの影響で外の文化を容易に手に入れられるようになるという時代の変化そのものを描いているというところに面白味がある物語でした。

さらに個人的には町田が大都市扱いで出てきたりするあたりもポイントが高いですね。

改めて貫井徳郎の新境地というか、ここまでミステリー色のない大作をやるものなんだという驚きが強いですね。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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