今日の読書 リアルフェイス/知念実希人
『改貌屋 天才美容外科医・柊貴之の事件カルテ』を改題・改稿した作品という事です。
美容外科を芸術だと考えて金さえ積めばどんな要望にも応えるという天才である柊貴之は変人芸術家とばかりに癖が強いといういかにもな感じ、そこのクリニックにバイトとして入ることになった大学院で学ぶ麻酔医である朝霧明日香は真っ当な常識人であり、美容整形そのものにも疑問を持っているものの、背に腹はかえられないとして人間性に難ありと評価する医者のもとで働くことになり、そこに奇妙な依頼が舞い込んできてという連作短編型長編のような形で進んでいくミステリー小説になります。
作者が医者という事で、医療関係のネタはガンガン組み込んできていて、美容外科という医療分野の中ではちょっとどうなんだろうという評価を受けてしまう分野について、どうなんだろうという評価がされる事はそれとしてしっかりと提示し、そもそもの存在理由であるとか、整形外科と形成外科の違いを分かりやすく説明していたりと、情報小説としての価値もあるものにまとめてもいます。
癖が強い奇人変人系の天才に一般的な感覚の人間が振り回されるというのは、ある意味定番の組み合わせであり、そういった前例があるからこそ話にすっと入っていきやすい作りと、定番設定を利用した感じとすごくバランスのとれた間口が広いなと感じさせる面白さがありました。
美容外科を芸術だと考えて金さえ積めばどんな要望にも応えるという天才である柊貴之は変人芸術家とばかりに癖が強いといういかにもな感じ、そこのクリニックにバイトとして入ることになった大学院で学ぶ麻酔医である朝霧明日香は真っ当な常識人であり、美容整形そのものにも疑問を持っているものの、背に腹はかえられないとして人間性に難ありと評価する医者のもとで働くことになり、そこに奇妙な依頼が舞い込んできてという連作短編型長編のような形で進んでいくミステリー小説になります。
作者が医者という事で、医療関係のネタはガンガン組み込んできていて、美容外科という医療分野の中ではちょっとどうなんだろうという評価を受けてしまう分野について、どうなんだろうという評価がされる事はそれとしてしっかりと提示し、そもそもの存在理由であるとか、整形外科と形成外科の違いを分かりやすく説明していたりと、情報小説としての価値もあるものにまとめてもいます。
癖が強い奇人変人系の天才に一般的な感覚の人間が振り回されるというのは、ある意味定番の組み合わせであり、そういった前例があるからこそ話にすっと入っていきやすい作りと、定番設定を利用した感じとすごくバランスのとれた間口が広いなと感じさせる面白さがありました。