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今日の読書 教養として知っておきたい33の経済理論/大村大次郎

タイトルそのままの本になります。

著者は元国税調査官ということで、学者が作り上げた経済学理論とは違う視点、税金という生々しい金の動きを扱ってきた事による机上とは別の結論も見てきたからこそというのを込みで理論は理論現実は現実という形で経済理論を紹介しています。

経済理論だけに関わらず、社会学系の学問というのは絶対的な正解というものは存在せず、かつては正解に近いと思われたものも時代が変化すると通用しなくなったり、また理論としてきれいに定義づけしたいがために、これは特殊事例だから考慮の外に置くというような判断をすると、むしろ省いたものの方が重要であったりなんて言うことは枚挙に暇がないようなものですね。

また分かりやすくしようとすればするほど極論に走る傾向があるというのも社会学系のあるあるにもなり、分かりやすいがゆえに正解だと勘ちがいされた形で広まってしまったり、理論の極端なところだけを恣意的に広めてしまったり、政治利用であるとかメディアの世論誘導なんていうのでは悪用されてしまうというのもまたよくある話。

経済学は社会科学分野では、社会生活の中での金が絡む問題を分析するよというのがザックリした分け方かなと個人的には理解しているのであり、数字を使って説明する事が多く、それ故に文系分野の中では異質と言えば異質でもありますし、数字を避けた分野になるとイデオロギーに向かってしまうというのもありますが、経済学と分類してもさらに中身は細分化していたりもしますが、本書に取り上げられているのは数字を一切使わない説明で済むものだけですね。

理論を紹介し、現実でもよくあることなのか、現実と乖離しているのか、一部分が拡大解釈されて本来と別物にされているのかどうか、理論が考えられた時代背景と現代では違うから当時正しいと思われたことが現代では当てはまらなくなっているかなどなど。

分かりやすい例としては、マルクスの理論などは、資本主義のダメなところの指摘はかなり的確についていてそれに関しては現代でも十分過ぎるほど通用する、しかし解決方法が資本主義全否定で共産主義とかなり極論のぶっ飛んでしまったから目も当てられない惨状を導いただけで終わってしまったなんていう形ですね。

経済学をとりたててちゃんと通ってこなかった人でも入りやすい身近な感覚で触れることが出来る行動経済学の理論から入り、ゲーム理論やアダム・スミスやケインズといった抑えておかなければならないもの、MMTなど最近出てきた理論など良い意味で広く浅く触れることが出来て、個人的には良いおさらいになったかなと。

第1章 今日から使えるお役立ち経済理論
第2章 顧客の心理を読み解く経済理論
第3章 歴史緒変えた経済理論
第4章 大人として知っておきたい経済理論
第5章 現代世界を動かす経済理論

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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