fc2ブログ

今日の読書 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱/伊藤俊一

墾田永年私財法は声に出して言いたい日本史用語で上位3位に入ることが確実なものであると勝手に思っているわけですが、詳しく知っているかというと字面通りの意味という事と当時から考えると大変革が起きたという扱いであると言うこと程度しか知らないので、墾田永年私財法なんてタイトルにあったら読みたくなるじゃないかと食いつきました。

当たり前の話ですが墾田永年私財法だけで1冊まとめられているわけもなく、墾田永年私財法から応仁の乱までの時代、日本の中世という区分をされている時代を荘園という制度、またその変遷を軸に解説しましょうというものになっています。

近年の歴史研究の分野は、マルクス史観、階級闘争史観という分析手法が限界を迎えたというか、そういった角度で分析することによるバイアスに無理がありすぎたという形で再構築されているという印象を個人的には感じていて、荘園についても過去にあった封建制度であるという分析、西洋の歴史が歩んできた段階を日本も似ている部分を無理矢理当てはめていったというのもあったようで、専門家ではないので分析の変化については詳しくは分からないのですが呪縛から解き放たれている感があるよなぁというのは勝手に思うところですね。

支配層の私有地である農園が鎌倉時代武士の時代になって土地が褒賞扱いになるという転換点というあたりは面白く感じましたね、むしろその価値観の転換こそが武士が支配層になるという事ですらあったと思えるくらい。

そして、当時の天候というのが分かるようになり、寒冷化と飢饉による被害の深刻さというのを見ると、温暖化よりも寒冷化の方が本気で怖いよなと思わずにはいられなかったりするんですよね、食糧難の怖さは…

第1章 律令制と初期荘園
    1律令制の土地制度と税制
    2三世一身法と墾田永年私財法
    3初期荘園

第2章 摂関政治と免田型荘園
    1荒廃する農村、苦しむ朝廷
    2受領と田堵
    3免田型荘園

第3章 中世の胎動
    1藤原頼通の時代
    2在地領主の誕生

第4章 院政と受領型荘園
    1院政のはじまり
    2領域型荘園の設立
    3巨大荘園群の形成

第5章 武家政権と荘園制
    1平家政権と荘園制
    2鎌倉幕府の形成と地頭
    3鎌倉幕府と荘園制

第6章 中世荘園の世界
    1開発と生産
    2荘園のひとびと
    3荘園の経済
    4信仰世界と荘園絵図

第7章 鎌倉後期の転換
    1職の一円化
    2飢饉からの復興
    3貨幣流通の進展
    4悪党と鎌倉幕府の動揺

第8章 南北朝・室町幕府の荘園制
    1建武の新政と南北朝の内乱
    2室町幕府と荘園制
    3南北朝・室町幕府の荘園経営

第9章 荘園制の動揺と解体
    1蜂起する百姓
    2寬正の飢饉と応仁の乱
    3消えゆく荘園

終章  日本の荘園とは何だったのか

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

おまけ

カレンダー
03 | 2022/04 | 05
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

茶留蔵

Author:茶留蔵
心身ともに不健康で知性が大いに不自由な社会不適合者

タグ
おまけ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
現在の閲覧者数:
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
ニューリリース
メタル
QRコード
QR
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる