今日の読書 その殺人本格ミステリに仕立てます。/片岡翔
いわゆる新本格ミステリというジャンルが成立して30年は経っていて、初期の頃の作品というのは完全にマニアがマニアのために書いた、一度葬り去られてしまったから復興させないと読みたいものがないというような状況であったのが、ある程度読んだことが無い人であってもいかにもな感じ、孤立させられた状況の館で起きる連続殺人なんていうのはイメージ出来るようになっていると思いますが、認知されればされる程山のように先行作品があってベタな作品というのが作りにくくなってしまうというのが世の常。
本作もいかにもな本格ミステリでありながら、どこかパロディ的な要素を前面に出してきているものになります。
館シリーズで知られる故人となった作家の一家にメイドとして働くことになった主人公は作家の作り出した探偵の生まれ変わりだと言い張る変わり者、作家の子供である四兄妹は不仲であり殺人計画が行なわれることになり、その計画を知ってしまったメイドは計画を阻止すべく動くというものですが…色々と問題のあるメイドであって論理で動かないハプニングだらけだしというノリの作品、しかし王道展開をお約束としたパロディに見せかけて実は王道も王道かもしれないという仕掛けだらけのものになっています。
王道の先行作品が多くありすぎて後継作品はなかなか入り込む隙ができなくなってしまうというのは、数多のエンターテインメントの抱える問題だと思うのですが、純粋な王道が無理ならこういうやり方もあるというのを示したなと楽しみながらも思わず感心してしまいますね。
本作もいかにもな本格ミステリでありながら、どこかパロディ的な要素を前面に出してきているものになります。
館シリーズで知られる故人となった作家の一家にメイドとして働くことになった主人公は作家の作り出した探偵の生まれ変わりだと言い張る変わり者、作家の子供である四兄妹は不仲であり殺人計画が行なわれることになり、その計画を知ってしまったメイドは計画を阻止すべく動くというものですが…色々と問題のあるメイドであって論理で動かないハプニングだらけだしというノリの作品、しかし王道展開をお約束としたパロディに見せかけて実は王道も王道かもしれないという仕掛けだらけのものになっています。
王道の先行作品が多くありすぎて後継作品はなかなか入り込む隙ができなくなってしまうというのは、数多のエンターテインメントの抱える問題だと思うのですが、純粋な王道が無理ならこういうやり方もあるというのを示したなと楽しみながらも思わず感心してしまいますね。