今日の読書 奇跡を蒔くひと/五十嵐貴久
年間4億円の赤字を理由に消滅寸前となった地方の市民病院、勤務医が続々と辞めていく中34歳の若手の医師が病院建て直しのために回りを巻き込み奮闘するという物語になります。
市立という税金が絡む事、経営意識コスト意識の問題、都市部と比べて著しく高齢化社会であること等々地方都市のインフラ問題を軸に、分かりやすく予算削減狙いの政治家や官僚が絡んできたりと、元ネタがある事を踏まえて、足を引っ張る存在を分かりやすく描いているものになります。
病院がなくなることの意味、特にコロナ禍以降では受け入れが物理的に無理というような事が多発して、最小限あれば良いだろう的な思考が危険すぎるだろうというのが露呈してきているとは思いますが、じゃあ税金が絡んだ場合、無駄遣いに見える物って削減したくなるのが人情だよねとか、単純な解決策というのは見えないわけであったり。
そういう単純な善悪二項対立構造ではすまされない話しを、奮闘記として感情移入しやすく提示して物語として楽しめて、それでいて現状の地方都市の問題というのを意識付けさせるという狙いを両方を兼ね備えた出来になっていて、上手くまとめているなぁと感心してしまう一冊ですね。
ただまぁ、財政削減こそ正義というのは日本の世論形成で未だに根強くはありますし、増税を喜んで受け入れる人っていないよねというのはあって、簡単ではない事も確かなんですよねぇ…
市立という税金が絡む事、経営意識コスト意識の問題、都市部と比べて著しく高齢化社会であること等々地方都市のインフラ問題を軸に、分かりやすく予算削減狙いの政治家や官僚が絡んできたりと、元ネタがある事を踏まえて、足を引っ張る存在を分かりやすく描いているものになります。
病院がなくなることの意味、特にコロナ禍以降では受け入れが物理的に無理というような事が多発して、最小限あれば良いだろう的な思考が危険すぎるだろうというのが露呈してきているとは思いますが、じゃあ税金が絡んだ場合、無駄遣いに見える物って削減したくなるのが人情だよねとか、単純な解決策というのは見えないわけであったり。
そういう単純な善悪二項対立構造ではすまされない話しを、奮闘記として感情移入しやすく提示して物語として楽しめて、それでいて現状の地方都市の問題というのを意識付けさせるという狙いを両方を兼ね備えた出来になっていて、上手くまとめているなぁと感心してしまう一冊ですね。
ただまぁ、財政削減こそ正義というのは日本の世論形成で未だに根強くはありますし、増税を喜んで受け入れる人っていないよねというのはあって、簡単ではない事も確かなんですよねぇ…