今日の読書 日本史を疑え/本郷和人
一般向けの歴史関連の著書を大量に書き続けている、東京大学史料編纂所教授である本郷和人による、日本史の定説も最新学説もそのまま鵜呑みにしないで見直そうというものになりますね。
個人的には歴史関係の一般向けのものとして、井沢元彦が学者ではなく作家という立場で定説を疑うという立場でライフワークとなる逆説の日本史シリーズを先に読んでいた関係もあって、それを歴史学者がやるような時代になったなというか、かつて井沢元彦が批判していた所を学者の立場でやる時代になったんだなという感想が出て来ますね。
唯物史観や階級闘争史観が幅を利かせて、それ以外を握りつぶさんばかりにやって来た呪縛から解放され、歴史解釈に関してはある意味派閥があるよというのを匂わせていたりするのが個人的には面白いですね。
そこら辺解釈の多用性というか、定説や最新学説に絶対的な正解というのはなかなか難しいけれども、説に説得力を持たせられないものはダメだよというか、ツッコミどころは色々と削っていこうというのが歴史学なのかなと。
古代から近世までの時代の流れをおさらいできますし、一般向けを楽しみたい層としてはありがたいまとめ方かなと。
第1章 日本史を疑ってみよう
日本史は何の役に立つのか
歴史用語を疑え 頼朝は自分が「幕府を開いた」と思っていなかった?
「史実」とは何か 史料の使い方、疑い方
日本史は何で出来ているか 古文書、古記録と歴史書の違い
真の差出人は誰だ 古文書の読み方の基本
こんなところにも「歴史解釈」が 時代の名前は意外に大事
時代の変わり目をどこで見るか
日本史の流れを押さえる四つの視点
「この国のかたち」は時代によって変わる
外圧にも「レベル」がある
日本の歴史は「プレイヤー」拡大の歴史
世襲のメリット、実力のメリット
第2章 古代
史料が少ない古代史を読み解くには
ヤマト王権のフランチャイズ戦略
「日本」をつくった警戒レベルMAXの外圧
壬申の乱は「日本」を二倍に広げた
律令体制を税金問題として考えてみよう
第3章 平安時代
朝廷は全国を支配できていたか 「面」の支配と「点」の支配
遣唐使はなぜ廃止されたか 吉備真備と菅原道真の運命
貴族の地方放置が武士を育てた 平将門の乱を再評価する
実はもろかった摂政政治
「武者の世」が到来した理由
第4章 鎌倉時代
関東武士はなぜ頼朝を担いだのか
「幕府」をどう捉えるかで成立年が変わる
どうして源氏将軍が絶えたのに鎌倉幕府は続いたのか
鎌倉後期の天皇は名君ぞろい 敗戦が生んだ「徳」への競争
御成敗式目はなぜ必要になったのか
元寇は本当は避けられた
「銭」に負けた得宗専制
名字に「の」が入らなくなった理由 家族制度・土地・相続
第5章 室町時代
鎌倉幕府を倒したのは後醍醐天皇ではない
尊氏兄弟を引き裂いた「京都の二つの顔」
南北朝はなぜ五十年あまりも続いたのか
細川頼之がつくった「義満一三九二年体制」
応仁の乱は尊氏派vs直義派の最終決戦だった
第6章 戦国時代
戦国時代とは何か
「信長=普通の大名」説に反論する
信長最大のライバルは一向宗だった
西国大名のグローバル度
秀吉はなぜ家康を潰さなかったのか
第7章 江戸時代
江戸時代 近代から見るか、中世から見るか
「一六〇三年江戸幕府成立」説を疑う
江戸幕府の名君と暗君は誰か
「鎖国はなかった」説を外圧理論で考える
幕府を滅ぼした「働かないおじさん」問題
個人的には歴史関係の一般向けのものとして、井沢元彦が学者ではなく作家という立場で定説を疑うという立場でライフワークとなる逆説の日本史シリーズを先に読んでいた関係もあって、それを歴史学者がやるような時代になったなというか、かつて井沢元彦が批判していた所を学者の立場でやる時代になったんだなという感想が出て来ますね。
唯物史観や階級闘争史観が幅を利かせて、それ以外を握りつぶさんばかりにやって来た呪縛から解放され、歴史解釈に関してはある意味派閥があるよというのを匂わせていたりするのが個人的には面白いですね。
そこら辺解釈の多用性というか、定説や最新学説に絶対的な正解というのはなかなか難しいけれども、説に説得力を持たせられないものはダメだよというか、ツッコミどころは色々と削っていこうというのが歴史学なのかなと。
古代から近世までの時代の流れをおさらいできますし、一般向けを楽しみたい層としてはありがたいまとめ方かなと。
第1章 日本史を疑ってみよう
日本史は何の役に立つのか
歴史用語を疑え 頼朝は自分が「幕府を開いた」と思っていなかった?
「史実」とは何か 史料の使い方、疑い方
日本史は何で出来ているか 古文書、古記録と歴史書の違い
真の差出人は誰だ 古文書の読み方の基本
こんなところにも「歴史解釈」が 時代の名前は意外に大事
時代の変わり目をどこで見るか
日本史の流れを押さえる四つの視点
「この国のかたち」は時代によって変わる
外圧にも「レベル」がある
日本の歴史は「プレイヤー」拡大の歴史
世襲のメリット、実力のメリット
第2章 古代
史料が少ない古代史を読み解くには
ヤマト王権のフランチャイズ戦略
「日本」をつくった警戒レベルMAXの外圧
壬申の乱は「日本」を二倍に広げた
律令体制を税金問題として考えてみよう
第3章 平安時代
朝廷は全国を支配できていたか 「面」の支配と「点」の支配
遣唐使はなぜ廃止されたか 吉備真備と菅原道真の運命
貴族の地方放置が武士を育てた 平将門の乱を再評価する
実はもろかった摂政政治
「武者の世」が到来した理由
第4章 鎌倉時代
関東武士はなぜ頼朝を担いだのか
「幕府」をどう捉えるかで成立年が変わる
どうして源氏将軍が絶えたのに鎌倉幕府は続いたのか
鎌倉後期の天皇は名君ぞろい 敗戦が生んだ「徳」への競争
御成敗式目はなぜ必要になったのか
元寇は本当は避けられた
「銭」に負けた得宗専制
名字に「の」が入らなくなった理由 家族制度・土地・相続
第5章 室町時代
鎌倉幕府を倒したのは後醍醐天皇ではない
尊氏兄弟を引き裂いた「京都の二つの顔」
南北朝はなぜ五十年あまりも続いたのか
細川頼之がつくった「義満一三九二年体制」
応仁の乱は尊氏派vs直義派の最終決戦だった
第6章 戦国時代
戦国時代とは何か
「信長=普通の大名」説に反論する
信長最大のライバルは一向宗だった
西国大名のグローバル度
秀吉はなぜ家康を潰さなかったのか
第7章 江戸時代
江戸時代 近代から見るか、中世から見るか
「一六〇三年江戸幕府成立」説を疑う
江戸幕府の名君と暗君は誰か
「鎖国はなかった」説を外圧理論で考える
幕府を滅ぼした「働かないおじさん」問題