今日の読書 書楼弔堂 待宵/京極夏彦
明治の初頭、古今東西の書物が集う書舗の弔堂を舞台にした6年ぶりとなるシリーズ3作目になります。
今回は明治の時代に乗り遅れた甘酒屋の爺さん視点で物語が進みます。
日露戦争が近づき、好戦的な世論も形成されつつある中、人斬りが横行した幕末に生きた元侍である爺さんが自分の過去を思い悩み、いつ死んでも構わないという事を考えているものの、弔堂へ向かう坂道の途中にある店に店を目指しながらも迷ってしまっている客と関わってしまい毎回店まで足を運ぶ事になってしまうという連作短編型長編。
このシリーズは弔堂で、客に大切な本を与えるという事で毎回いろいろと解決するというのが基本形であり、その客は歴史上に名前を残している人物、今回で言えば最初から名乗っていて明らかに分かるようにしているのとして岡本綺堂などがいますが、人によっては名前も後世に知られているのとは別名(ペンネームなど)で出てきたりして、別名の方を完全に知っている人は即座に分かったり、あやふやな記憶のものはたぶんそうだよねくらいの推測をしてみたり、名前が明らかになってもぴんと来ないものもあったりと様々にあったりします。
視点となる爺さんも正体につながるようなヒントは小出しに出てきて、最後に明かされるという形になりますが、エンターテイメント作品を楽しむためには一定の知識や教養があった方が楽しめるよねと改めて感じさせられる作りになっています。
逆にでてくる名前に誰1人気がつかないような人が読むのであれば、これを機に覚えていくのも悪くは無いのかなと。
面白いシリーズなので6年と間を開けずに発表して欲しいと思わずにはいられないのですが、仕掛けに手間がかかって大変そうだよなというのも同時にあり、無理は言えないのかなぁとも考えさせられます。
今回は明治の時代に乗り遅れた甘酒屋の爺さん視点で物語が進みます。
日露戦争が近づき、好戦的な世論も形成されつつある中、人斬りが横行した幕末に生きた元侍である爺さんが自分の過去を思い悩み、いつ死んでも構わないという事を考えているものの、弔堂へ向かう坂道の途中にある店に店を目指しながらも迷ってしまっている客と関わってしまい毎回店まで足を運ぶ事になってしまうという連作短編型長編。
このシリーズは弔堂で、客に大切な本を与えるという事で毎回いろいろと解決するというのが基本形であり、その客は歴史上に名前を残している人物、今回で言えば最初から名乗っていて明らかに分かるようにしているのとして岡本綺堂などがいますが、人によっては名前も後世に知られているのとは別名(ペンネームなど)で出てきたりして、別名の方を完全に知っている人は即座に分かったり、あやふやな記憶のものはたぶんそうだよねくらいの推測をしてみたり、名前が明らかになってもぴんと来ないものもあったりと様々にあったりします。
視点となる爺さんも正体につながるようなヒントは小出しに出てきて、最後に明かされるという形になりますが、エンターテイメント作品を楽しむためには一定の知識や教養があった方が楽しめるよねと改めて感じさせられる作りになっています。
逆にでてくる名前に誰1人気がつかないような人が読むのであれば、これを機に覚えていくのも悪くは無いのかなと。
面白いシリーズなので6年と間を開けずに発表して欲しいと思わずにはいられないのですが、仕掛けに手間がかかって大変そうだよなというのも同時にあり、無理は言えないのかなぁとも考えさせられます。