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今日の読書 第三の大国 インドの思考/笠井亮平

副題が『激突する「一帯一路」と「インド太平洋」』というものになります。

インドについて理解を深めようという狙いで書かれているものですが、インドそのものについての言及というよりも現在進行形の世界情勢、ロシアによるウクライナ侵攻、中国による一帯一路を軸に覇権を狙うという二大権威主義国家の横暴に対する自由主義陣営の対抗策、そこに完全に独自路線を突き進む大国インドという存在の重要性という事になります。

ロシアのウクライナ侵攻を機に自由主義陣営と権威主義国家という対立構造が表面化したとは言うものの冷戦時代のように関係性を遮断するというものではなく、現在は経済的な結びつきも強く、事を荒立てずに収めにいきたい自由主義陣営と、資源もろもろを握り恫喝も辞さないものの経済制裁は経済制裁で致命傷をくらうので、事を荒立てたくはないという所に対して強気に出るしかない背水の陣な権威主義国家という、ややぼんやりとしている状況。

自由主義陣営とは価値観は相容れないけれども全面的に対立したくない中東勢であるとか、金の力に中国に取り込まれて、距離をとらないと飲み込まれそうになると慌てだしている東南アジア、南アジアなどそれぞれの国の本音を全部網羅するのはカオスすぎで難しいという事になりますが、そのカオスを収める事もさらにカオスにする事も可能な立ち位置なのがインドですよという理解で良いのかなと。

日本という立場からすると危険過ぎる隣国である中国に対して牽制するためにもインドとの関係強化は望まれる事ですし、自由で開かれたインド太平洋という枠組みを積極的に作りに行ったりはしているのですが、じゃあ同じ陣営として組み込むというほどには組み込めない態度をインドは取り得ているという。

大国としての駆け引きと言う事では、インド、中国、ロシアは三国志のような関係性と考えるのが理解を進める事になるというのは過去にも目にした事がありますが、その三国の外部要因たる日本、またはアメリカを中心とする自由主義陣営は権威主義国家の力を弱めるためにはインドとはどうやって協力関係を作り上げ、狙い通りに動いてもらうように誘導出来るのか、なかなか正解は出せそうも無く難しいなぁとなってしまうのが実際の所でしょうね。

権威主義国家と違って、自由主義陣営は情報統制ができないので世論によってぶれやすいという弱点をもっていますし、我慢比べにどこまでつきあえる事か。


序 章 ウクライナ侵攻でインドが与えた衝撃
第一章 複雑な隣人 インドと中国
第二章 増殖する「一帯一路」 中国のユーラシア戦略
第三章 「自由で開かれたインド太平洋」をめぐる日米印の合従連衡
第四章 南アジアでしのぎを削るインドと中国
第五章 海洋、ワクチン開発、そして半導体 日米豪印の対抗策
第六章 ロシアをめぐる駆け引き 接近するインド、反発する米欧、静かに動く中国

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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