今日の読書 スリジエセンター1991/海道尊
ブラックペアン1988、ブレイズメス1990に続くシリーズ第3弾にしてシリーズ完結編。
大学時代攻撃的サイドバックとして活躍した若手外科医世良を主人公にして、研修医として東城大で働いた期間を描いたシリーズになるわけですが、このシリーズはチームバチスタを始めとした、本編シリーズよりも前の出来事になるわけで、それぞれの登場人物の若かりし頃を描いているというだけではなく、それぞれの関係性などの因縁については、かなり重要な位置をしめることになりますね。
海堂尊の医療問題啓蒙活動を目的とした小説群では、その中でも本人の一番の専門でもあるAi(死亡時画像診断)普及に力点が入りまくっているものが多く、また本編から離れたスピンオフ作品が増えてくると、Aiについてのいろいろな闘争から、より政治的なところにまで突っ込んでくる、医療行政を出発点に地方行政のありかたとかにまで行きついて、ちょっと手を広げ過ぎているんじゃないかと思わなくもない展開になていますが、このシリーズは、バブル崩壊直後の時代という事と、この時代が医療の転換点となったという、医療と金について、力点が置かれていますね。
医療費亡国論という官僚のレポートに対する批判に力点が置かれていますが、この当時、医療と金の問題をガッツリと考えるとなると拝金主義者というような評価になり得るという所を中心に、病院内での政治的な駆け引き、そして政治的な駆け引きの結果が、この当時良かれと思っていたのに、将来的にはどうなったのかという問題提起まで狙っているかなと。
とまぁ、裏側というか作者のそういった狙いもあるだろうなというのは横において、やや政治的駆け引きに力点が置かれ過ぎているのは気になるものの面白かったですね。
シリーズもの、しかも必ずしも時系列順に作品が発表されるわけではない一連の作品群の中で、これがこう繋がっていくのかという楽しみがありますからね。
今回は、ジェネラル・ルージュの凱旋で主役的な位置になるジェネラル速水や、イノセントゲリラの祝祭で重要な役割を担うスカラムーシュ彦根の若かりし頃が出てきて、後に活躍する事になるキャラだよなというのを印象つけていますね。
ジェネラル速水は、それこそジェネラルと呼ばれる事になったきっかけの出来事がここで書かれているわけになりましたからね。
一連の作品群ですが、ここの所シリーズ最終作が本編を始め続いている気がするんですが、今後どうなっていくのかが気になりますねぇ。
大学時代攻撃的サイドバックとして活躍した若手外科医世良を主人公にして、研修医として東城大で働いた期間を描いたシリーズになるわけですが、このシリーズはチームバチスタを始めとした、本編シリーズよりも前の出来事になるわけで、それぞれの登場人物の若かりし頃を描いているというだけではなく、それぞれの関係性などの因縁については、かなり重要な位置をしめることになりますね。
海堂尊の医療問題啓蒙活動を目的とした小説群では、その中でも本人の一番の専門でもあるAi(死亡時画像診断)普及に力点が入りまくっているものが多く、また本編から離れたスピンオフ作品が増えてくると、Aiについてのいろいろな闘争から、より政治的なところにまで突っ込んでくる、医療行政を出発点に地方行政のありかたとかにまで行きついて、ちょっと手を広げ過ぎているんじゃないかと思わなくもない展開になていますが、このシリーズは、バブル崩壊直後の時代という事と、この時代が医療の転換点となったという、医療と金について、力点が置かれていますね。
医療費亡国論という官僚のレポートに対する批判に力点が置かれていますが、この当時、医療と金の問題をガッツリと考えるとなると拝金主義者というような評価になり得るという所を中心に、病院内での政治的な駆け引き、そして政治的な駆け引きの結果が、この当時良かれと思っていたのに、将来的にはどうなったのかという問題提起まで狙っているかなと。
とまぁ、裏側というか作者のそういった狙いもあるだろうなというのは横において、やや政治的駆け引きに力点が置かれ過ぎているのは気になるものの面白かったですね。
シリーズもの、しかも必ずしも時系列順に作品が発表されるわけではない一連の作品群の中で、これがこう繋がっていくのかという楽しみがありますからね。
今回は、ジェネラル・ルージュの凱旋で主役的な位置になるジェネラル速水や、イノセントゲリラの祝祭で重要な役割を担うスカラムーシュ彦根の若かりし頃が出てきて、後に活躍する事になるキャラだよなというのを印象つけていますね。
ジェネラル速水は、それこそジェネラルと呼ばれる事になったきっかけの出来事がここで書かれているわけになりましたからね。
一連の作品群ですが、ここの所シリーズ最終作が本編を始め続いている気がするんですが、今後どうなっていくのかが気になりますねぇ。
![]() | スリジエセンター1991 (2012/10/25) 海堂 尊 商品詳細を見る |
- 関連記事
-
- 今日の読書 梟の系譜 宇喜多四代/上田秀人 (2013/03/19)
- 今日の読書 けさくしゃ/畠中恵 (2013/03/15)
- 今日の読書 スリジエセンター1991/海道尊 (2013/03/06)
- 今日の読書 謎解きはディナーのあとで3/東川篤哉 (2013/02/26)
- 今日の読書 江神二郎の洞察/有栖川有栖 (2013/02/19)
trackback
「スリジエセンター1991」海堂尊
天才外科医による「革命」の行方は?
“招かれざる異端児”を襲うアクシデントと張り巡らされた陰謀――。
メディカル・エンターテインメントの真骨頂!
シリーズ、ついに完結!!
手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する天才外科医・天城は、東城大学医学部でのスリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。だが、佐伯教授の急進的な病院改革を危惧...
コメントの投稿
No title
一連のシリーズの原点がここに集約されている感じで、寝る間を惜しんで読みました。
最後はちょっとせつなかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
最後はちょっとせつなかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
Re: No title
このバブル期シリーズは、全体のシリーズの原点という感じになっていていいですよね。
若かりし頃の出来事がその後に与えた影響という意味でも、これが原因で・・・となっていたりして。
若かりし頃の出来事がその後に与えた影響という意味でも、これが原因で・・・となっていたりして。