今日の読書 ゴーゴーAi/海堂尊
医者で作家の海堂尊の、Ai導入に対する闘争4000日をまとめた1冊になります。
Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)に対する普及運動は、海堂尊という医者であり作家としての目的だと言っても過言ではないのでしょうか。
少なくとも、私は海堂尊の一連の小説を読むまで知らなかった概念ですし、冊数が増えれば増えるほどガッツリとメインになるくらい力点を感じたりしますし、私のような理解力に乏しい知性しか持ち合わせていなくても何となく理解が出来るようになってきていたりします。
Aiを進める理由の主だったものは、日本が先進国中ぶっちぎりで解剖率2%という死亡不明社会であり、このまま死亡不明を放置すると、犯罪の隠蔽という問題と、死亡原因を追及し、そこから学び発展させるという医学の進歩を妨げるという問題、また原因が曖昧なままになる事で遺族の中にわだかまりが残るなど問題が山積みになり、日本の国家存亡の危機といっても過言ではない状況に陥る危惧があるからというものですね。
解剖が2%、残りの98%はいい加減とまでは行かなくても、かなりアバウトな死亡診断で済まされており、また解剖は時間もコストもかかり、実施するだけの医者も不足、解剖という行為そのものが遺族にとって歓迎出来るものではないという事から、実施へのハードルも高いという多くの問題を内包しているという事。
それと比べ、画像診断(CTやMRI)は時間もコストも大幅に削減する事ができ、やろうと思えば死者全員に対して実施する事のハードルも低い等、多くのメリットがあり、医療現場だけではなく、遺族にも恩恵だらけであると。
しかし、一見するとシンプルで分かりやすくメリットだらけのように見えるものも、実施により多くのパラダイムシフトが起きる事によって、多くの邪魔が入るというのが、分かりやすい大人の事情。
という事で、大人の事情の代表格とでも言うべき官僚・学会コングロマリットとの10年間にわたる闘争のまとめを見てみると、興味深いというか、医学のような科学分野において、論理というものが保身のために使われているのを見ると、情けなくなってしまうというか。
それと同時に、この闘争のおかげで小説ネタはどんどんたまって言ってるというか、元ネタに使われているなぁというのも分かりますね。
「中立、平等、透明、迅速」これがAiをの特質の4本柱になります。
しかし、この4本柱のうち最初の3つというのは、行われてしまうといろいろと困る人達がいるというのは、外から見ると誰にでも分かるものですよね。
自分に都合の良い人たちで回りを固めたい(中立性の欠如)
自分には予算を、他人には責任を(平等性の欠如)
相手の情報は隅々まで知りたがるが、自分に都合の悪い情報は隠蔽したがる(透明性の欠如)
官僚やら、政治家やら、マスメディアやらetc・・・特に何も考えないでも、枚挙にいとまがないくらい思いつくのではないでしょうか?
そういった具体例をガッツリと知る事ができる1冊ですし、ある意味事実は小説よりも奇なりというような楽しみ方も出来ます。
さて、話は変わりますが、今年3月11日東日本を襲った大地震、東北ではまだまだ日常を取り戻したとは言えない状況であるとは思いますが、東日本でも大多数は日常に戻っていると言えるでしょう。
しかしながら、地震や津波による被害だけならばともかく(被害そのものを軽く見ているわけではありません)原発事故により日本は巨大被爆地帯になってしまいました。
原発事故に関する政府や東電の数々の誠意のない対応は、それこそ「中立、平等、透明、迅速」の欠如を感じざるを得なかったのではないかと思っています。
それを踏まえると、いわゆる権力を持った人は概ね、「中立、平等、透明、迅速」を嫌うという結論を持ってきたとして、それほど的外れな指摘ではないのではないかと思います。
その話はとりあえずおいておいて、今回の原発事故によって、東日本だけではなく日本全体に風評被害の旗印の下で被爆者拡大運動が行われています。
となると、これからの日本の医療に求められる課題として被爆者に対応した治療方法が加えられた事になります。
死因に被爆が関係あるのかどうか、死因不明にして放っておくわけにはいかないでしょうし、死体から学ばなければいけない事がどんどん出てくるでしょう。
そのためにも、このまま日本が死因不明社会になってしまうという事は、日本人の健康を守るための医療の進歩を止める事になります。
そうならないためにも、日本が死因不明社会に陥らないためにAiが有効であるならば、どんどん普及してもらいたいものですね。
まぁ、被曝が原因で死者が急増というようなデータが作られてしまうと、責任問題にある、責任を放棄した責任者達が、新たな妨害をしてくるんじゃないかという新たな危惧が出てきたんじゃないかと、余計な心配をしてみたりはしますが。
Ai(オートプシー・イメージング=死亡時画像診断)に対する普及運動は、海堂尊という医者であり作家としての目的だと言っても過言ではないのでしょうか。
少なくとも、私は海堂尊の一連の小説を読むまで知らなかった概念ですし、冊数が増えれば増えるほどガッツリとメインになるくらい力点を感じたりしますし、私のような理解力に乏しい知性しか持ち合わせていなくても何となく理解が出来るようになってきていたりします。
Aiを進める理由の主だったものは、日本が先進国中ぶっちぎりで解剖率2%という死亡不明社会であり、このまま死亡不明を放置すると、犯罪の隠蔽という問題と、死亡原因を追及し、そこから学び発展させるという医学の進歩を妨げるという問題、また原因が曖昧なままになる事で遺族の中にわだかまりが残るなど問題が山積みになり、日本の国家存亡の危機といっても過言ではない状況に陥る危惧があるからというものですね。
解剖が2%、残りの98%はいい加減とまでは行かなくても、かなりアバウトな死亡診断で済まされており、また解剖は時間もコストもかかり、実施するだけの医者も不足、解剖という行為そのものが遺族にとって歓迎出来るものではないという事から、実施へのハードルも高いという多くの問題を内包しているという事。
それと比べ、画像診断(CTやMRI)は時間もコストも大幅に削減する事ができ、やろうと思えば死者全員に対して実施する事のハードルも低い等、多くのメリットがあり、医療現場だけではなく、遺族にも恩恵だらけであると。
しかし、一見するとシンプルで分かりやすくメリットだらけのように見えるものも、実施により多くのパラダイムシフトが起きる事によって、多くの邪魔が入るというのが、分かりやすい大人の事情。
という事で、大人の事情の代表格とでも言うべき官僚・学会コングロマリットとの10年間にわたる闘争のまとめを見てみると、興味深いというか、医学のような科学分野において、論理というものが保身のために使われているのを見ると、情けなくなってしまうというか。
それと同時に、この闘争のおかげで小説ネタはどんどんたまって言ってるというか、元ネタに使われているなぁというのも分かりますね。
「中立、平等、透明、迅速」これがAiをの特質の4本柱になります。
しかし、この4本柱のうち最初の3つというのは、行われてしまうといろいろと困る人達がいるというのは、外から見ると誰にでも分かるものですよね。
自分に都合の良い人たちで回りを固めたい(中立性の欠如)
自分には予算を、他人には責任を(平等性の欠如)
相手の情報は隅々まで知りたがるが、自分に都合の悪い情報は隠蔽したがる(透明性の欠如)
官僚やら、政治家やら、マスメディアやらetc・・・特に何も考えないでも、枚挙にいとまがないくらい思いつくのではないでしょうか?
そういった具体例をガッツリと知る事ができる1冊ですし、ある意味事実は小説よりも奇なりというような楽しみ方も出来ます。
さて、話は変わりますが、今年3月11日東日本を襲った大地震、東北ではまだまだ日常を取り戻したとは言えない状況であるとは思いますが、東日本でも大多数は日常に戻っていると言えるでしょう。
しかしながら、地震や津波による被害だけならばともかく(被害そのものを軽く見ているわけではありません)原発事故により日本は巨大被爆地帯になってしまいました。
原発事故に関する政府や東電の数々の誠意のない対応は、それこそ「中立、平等、透明、迅速」の欠如を感じざるを得なかったのではないかと思っています。
それを踏まえると、いわゆる権力を持った人は概ね、「中立、平等、透明、迅速」を嫌うという結論を持ってきたとして、それほど的外れな指摘ではないのではないかと思います。
その話はとりあえずおいておいて、今回の原発事故によって、東日本だけではなく日本全体に風評被害の旗印の下で被爆者拡大運動が行われています。
となると、これからの日本の医療に求められる課題として被爆者に対応した治療方法が加えられた事になります。
死因に被爆が関係あるのかどうか、死因不明にして放っておくわけにはいかないでしょうし、死体から学ばなければいけない事がどんどん出てくるでしょう。
そのためにも、このまま日本が死因不明社会になってしまうという事は、日本人の健康を守るための医療の進歩を止める事になります。
そうならないためにも、日本が死因不明社会に陥らないためにAiが有効であるならば、どんどん普及してもらいたいものですね。
まぁ、被曝が原因で死者が急増というようなデータが作られてしまうと、責任問題にある、責任を放棄した責任者達が、新たな妨害をしてくるんじゃないかという新たな危惧が出てきたんじゃないかと、余計な心配をしてみたりはしますが。
![]() | ゴーゴーAi アカデミズム闘争4000日 (2011/03/01) 海堂 尊 商品詳細を見る |
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「ゴーゴーAi アカデミズム闘争4000日」海堂尊
目次
第1部 海堂以前(土壌ー1961年ー1999年/播種ー1999年ー2001年/発芽ー2002年ー2003年/双葉ー2004年ー2005年)/第2部 海堂以後(繁茂ー2006年ー2007年/...
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No title
私には興味深い内容でしたが、小説ではないので、
人によっては好みが分かれる内容かもしれません。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
人によっては好みが分かれる内容かもしれません。
トラックバックさせていただきました。
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Re: No title
小説ではありませんでしたし、読み手を選んでしまう部分はあるとは思いますね。
特に権力闘争的な部分を読んで、残念に思う事が多々ありましたから。
トラックバックはさせていただきました。
特に権力闘争的な部分を読んで、残念に思う事が多々ありましたから。
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