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今日の読書 回避性愛着障害 絆が希薄な人たち/岡田尊司

私は自他共に認める立派な社会不適合者でありますが、どう社会不適合なのかというのを説明しようとするのに、こんなにぴったりの書物が世の中にあったのかというのが本書であったりします。

回避性愛着障害、人と親密になるのを避けてしまう、1人の方が気楽、結婚や子供を持つ事に消極的、責任や束縛を嫌う、気づ付く事に敏感、失敗を恐れるというような特徴を持っていると。

これが露骨に現れて、本当に孤独やひきこもりになるというのではなく、一見すると全くそのような風には見えない生活を送りながらも、分かりやすい形で表に出てこない形で実はそういう傾向があると。

社会生活を送りながら、責任のある立場には行きたくないから出世を拒むであるとか、経済的に余裕があるのに結婚は避けるとか、人間関係が希薄になっていると言い変えが利くようなものも、実は根っこは同じ、表面化するか重度か軽度かの違いというようなものという事を前提に、じゃあその原因はなにであって、回避的とはどういう事なのか、愛着というものはどういうものなのか、というものを説明したものになっていますね。

そして、回避性愛着障害によってどつぼに嵌るパターンと、どつぼから復帰した例を示して、どつぼからの復帰の方法までを考えるという流れになっています。

私の場合、幼少体験による両親、とりわけ母親からの愛情不足からの障害というのは、当てはまらないので読んでいて共感するというよりは、こういう例があるのだなと客観的に読む事ができると同時に、これって、幼児期には母親がつきっきりで愛情を持って接し続けるという事の重要性を強調しているという事で、なんだか女性の社会進出こそがこの世のすべてという考え方のフェミニストが蛇蝎のごとく嫌いそうだなぁと余計な事を考えてしまったりしますね。

私が共感してしまったのは、回避型の職業観というか労働観の部分での小見出し群

弱音を吐くより静かに身を引く、自分の人生に対する無関心、面倒くさがり屋と現状維持、失敗に対する恐れ、チャンスから逃げ出してしまう、働かないで生きるのが理想

ここら辺が立て続けに出てきて、思わず笑ってしまうというか、共感しまくってしまうという事になるでしょうか、私の事を書いているなと(笑)

巻末には愛着スタイル診断テストというのがあるのですが、私はばっちり回避型が強く出ていて、愛着回避が強く親密な関係になりにくいタイプと言う結果になりました。

この結果から考えるに、私と親密な関係を築けるというだけで、実はものすごい人づきあいの実力の持ち主だという事が分かりますね(笑)

まぁ、回避型の人間の場合、共通の趣味などがあると、容易にコミュニケーションを取る事ができるという事で、引きこもりなど完全に人との接触を避けてしまっている人は、まずは共通の趣味を持つ人と接する事から始めると、上手く行くという症例があるようですが。

とりあえず、これを読んで自分はばっちり回避型の人間だという事は確認できたという事で、少しでも人付き合いが苦手だとか、自分の能力以上の責任は負いたくない、責任を負うくらいならば、自分の実力以下の事しかしたくは無いとか、極端に失敗が嫌いとか、そういう事に思い当たる節がある人は読んでみるといいかもしれないなと思える1冊ですね。

第1章 新たな「種」の誕生!?
第2章 回避型愛着と養育要因
第3章 社会の脱愛着化と回避型 近代化、過疎化、情報化がもたらしたもの
第4章 回避型の愛情と性生活
第5章 回避型の職業生活と人生
第6章 回避の克服
第7章 愛着を修復する
回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書)回避性愛着障害 絆が稀薄な人たち (光文社新書)
(2013/12/13)
岡田 尊司

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