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今日の読書 リカーシブル/米澤穂信

急な引っ越しでさびれた地方都市で生活を始める事になった新中一の少女を主人公にした、何かひっかかりを感じる日常生活という形のミステリーになります。

血の繋がっていない母親と弟と3人で新しい生活を始めるにあたって、よそ者として侮られないように気配りをしながらも、弟が未来を見通せるかのような不思議な言動、地方集落にありがち(偏見込み)な古き悪しきムラ社会的な不自然な物事。

古くから伝わっている民話と現実に起きた事件との奇妙な一致点、その事に興味を示す事が危険を伴う空気感。

周りで起きている事件が自分に直接振りかかって来るわけではないが、かといって、全く無関係というわけでもない、何が問題点なのかはっきりと示されているわけではないが、何かが確実におかしい空気感という事で、正直こういう街では過ごしたくないなと思わせるものになっています。

基本的に私は土着文化伝統文化は大事にすべきという考え方を持っています。

しかし、その土着文化伝統文化が全てが称賛に値するものではなく、時代のよっては単純に理不尽であったり、非合理的の極みにしかなっていない伝統もある事は重々承知だったりします。

いわゆるムラ社会的思考というのもそういうもので、日本人によくある空気を読むという暗黙の了解、暗黙の強制力、これはもう少しなんとかしないといけないと思う分野であったりします。

よそ者を寄せ付けない事の合理性もわかりますし、ムラ社会的治安維持は個よりも社会というか集団主義として、一定の成果を残している事を否定はしませんし、日本の犯罪抑止力の一端を握っていると思っています。

しかし、集団主義が手段と目的を履き違えると、集団不正であったり集団による犯罪隠蔽という方向になりがち、権利と利権の履き違えのようなものになりうると。

それを、寂れた地方都市でやると言う事は、現代社会の中の古き悪しきムラ社会を表現するのにはやりやすいんだろうなと思えましたね。

なんだかんだで、こういう古き悪しきムラ社会を舞台にしたミステリーというのはジャンルの1つと言ってもいいくらい定番とも言えるものですから。

その定番ジャンルを使いながら、何がミステリーとしての軸なのか分かりにくいままひっぱっておいて、しっかりとまとめてあるなぁというのが一番の感想かもしれないですね。
リカーシブルリカーシブル
(2013/07/19)
米澤穂信

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