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今日の読書 スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編/ティモシー・テイラー

私はどこの大学が優秀なのか詳しくはありません、なんとなく有名どころ名前を見知っている所は、ぼんやりとイメージとしてはあったりはしますが、どういう分野で有名なのかとかになると、ほとんどスポーツのイメージしか無くなってしまうあたり、結局大学に対する興味ってその程度の物でしか無いんだなぁと思えたりします。

日本の大学ですらよく知らないので、アメリカの大学というと余計に詳しくは知らない事になるわけですが、そのわずかな知識の中でも、一応優秀で有名な大学としてスタンフォード大学というのは認識しています。

アメリカでは東のハーバード大学、西のスタンフォード大学という形でエリート扱いされているというのは、経済学関連の本を見ていると目につくんですが、個人的にはそれ以上に大学名としてよく目にするのが、NBA選手の出身校としてのものだったりします。

NBA選手の出身校という目線でスタンフォード大学というのを見ると面白い存在であるというのは、エリート大学として燦然と輝く存在であるという扱いをされているのにもかかわらず、思いつく選手がことごとくエリートプレイヤーでは無い。

チームのエースと呼ばれるような選手は排出しておらず、体を張って黙々と重要ながら地味な役割をこなすブルーカラー選手ばかりが目立つという事でしょうか。

マーク・マドゼン、ジェイソンとジャロンの双子のコリンズにブルックにロビンの双子のロペス、アダム・キーフもスタンフォード大学という事で、インサイドで体を張る選手、数字に残りづらい選手を育てるのが校風だと思わずにはいられないですね。

ブルック・ロペスはその中では珍しく攻撃型で場合によってはチームのエースになり得たりしますが。

インサイドの選手以外でも、ランドリー・フィールズなんていうのはスイングマンですが露骨に体を張ったディフェンスが売りだったりしますからね。

学業はエリート校なのに、バスケットボールプレイヤーとしては肉体労働者というギャップ、これが私個人の中ではインパクトがあるわけだったりします。

バスケットボールという競技は活躍の数値化のしやすい競技だったりします。

バスケットボールに限らず、野球もそうですが、比較的アメリカ発祥のスポーツは結果の数値化というものが分かりやすく作れるもので、実際に通して試合を見る事なくても、数値化された結果スタッツをチェックすれば、なんとなく分かるというのが特徴になると思います。

経済学という学問は、社会の成り立ちや問題点を金の絡む部分に力点をいて分析する学問になります。

金が絡むと言う事で、いろいろと数値化して分析する手法をとり、その数値化するという思考のもとで発展したといっても過言ではないと思いますし、数値化することによって苦手意識をもつ人が出てきたり、また数値化できないものを軽視すると、軽視した故に分析結果に齟齬がでてきたりするものだったりもします。

経済学というものは万能ではありません。

基礎を知らない人よりは知っている方が物事を理解する上で助けにはなりますが、過信し過ぎると理論上正しいはずと暴走して、現実との乖離を加速させる事になるのは、市場であろうと、政策であろうとあり得る事ですし、実際現実社会は思うようん運営できているとは言えません。

社会を数値化するという試みは一定以上の成果を上げますが、社会というものは複雑なものなので、数値化しにくいものをとりあえず横においておいてという扱いにする場合が多々あります。

その横においておいた部分こそが、実は重要であって数値化するための前提が間違っているのではないかというのが、最近の経済学の流れというか、進化発展するためのキーになっていると思います。

話をバスケットボールに戻しますと、選手の活躍の数値化、スタッツですがこの数字が良い選手だけを集めれば強いチームになるかというと、事はそう簡単ではありません。

チームのエースと言われるような選手を集めて、オールスターのような選手構成にしながら、見た目の豪華さとは違って残念な結果になる例というのは珍しい事ではありません。

タイトルに関わるような得点、アシスト、リバウンドなどのような分かりやすい数字を稼いでいたとしても、必ずしもチームの勝利に直結しない選手というものもいたりします。

逆に、そういう分かりやすい数字をあげていないにもかかわらず、何だかんだとチームの勝利に重要な役割を担う選手というのがいるもので、スタンフォード大学出身の選手というのは、個人スタッツが必ずしも派手では無いものの、役割としては重要になる選手というイメージが個人的にはあります。

数値化して分析できるものにもかかわらず、分かりやすい数値では無い所にも重要な要素があるという風に考えると、経済学で有名なスタンフォード大学出身の肉体労働者な選手が、一気に頭脳労働者のエリートのように思えてくるのが不思議だったりしますね。

数値化する事によって理解がしやすい分野ながらも、数値化という概念をとりあえず無しにして考えてみるとまた違った形で見えてくるものがあるという風に強引にまとめてみると、本書は経済学の講義をまとめた本になるわけですが、数値化やグラフ化というものは使わずに説明されている物になります。

正直、入門書ですので、私は一通り知っている事しか出てきませんので、外部経済や情報の非対称性ってミクロの分野扱いだったんだっけというような知識の整理にはなりましたが、ある意味ではそれ以上でもそれ以下でもないと言う事でしかないのですが、経済学というだけで勝手にハードルを作っている人には理解しやすい物にまとまっているなという印象になりますね。

少なくともスタンフォード大学というアメリカの超エリート校の講義だからと言って、中身までエリート向けという事ではなかったです。

だからこそ、人気の講義なんでしょうね、難解な講義が人気になると言うのはありえないでしょうから。


イントロダクション 経済学の考え方 どのように身につければいいのか
第1章  経済学とは何か だまされないために、経済を学ぶ
第2章  分業 1人では鉛筆1本つくれない
第3章  需要と供給 ピザの値段を決めるのはピザ屋ではない
第4章  価格統制 家賃の高騰は防げるか
第5章  価格弾力性 タバコの値上げは誰のため
第6章  労働市場 給料はどのようにして決まるのか
第7章  資本市場 どうして利子を払うのか
第8章  個人投資 老後のために知っておきたいこと
第9章  完全雇用と独占 企業にやさしい市場、厳しい市場
第10章 独占禁止法 競合企業は友であり、顧客は敵だ
第11章 規制と規制緩和 何が電話を進化させたのか
第12章 負の外部性 見えない環境コストを可視化する
第13章 正の外部性 技術革新のジレンマ
第14章 公共財 道路も消防もすべては商品
第15章 貧困と福祉 魚を与えるか、釣りを教えるか
第16章 格差問題 不平等はどこまで許されるか
第17章 情報の非対称性 保険がうまくいかない理由
第18章 企業と政治のガバナンス 誰も信用してはならない
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編スタンフォード大学で一番人気の経済学入門 ミクロ編
(2013/02/27)
ティモシー・テイラー

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