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今日の読書 虚ろな十字架/東野圭吾

東野圭吾作品は、自身の作品が映像化される事が増え、存在がメジャーになってから作品の傾向がいわゆるミステリーの定番である、事件が起きてから解決されるまでという流れの作品だけではなく、いわゆる事件が起きた事によっての事件後が絡む、事件後に力点を置いた作品というものが増えたと思います。

殺人事件の被害者遺族が少年犯罪という壁に復讐を考える「さまよう刃」であるとか、殺人犯の弟が、兄が殺人犯だからという事で、事件後の人生に十字架を背負わされる「手紙」であるとか、犯罪事件が解決したその後の人生という事に力点を置いた作品というものですね。

本作も、8歳の娘を殺され加害者を死刑に追い込む事が出来たものの、結局は事件の影響で離婚する事になった両親。

その母親の方が、娘が殺された数年後に殺害される事件が起こってというものになります。

力点を置いたテーマは『死刑』

死刑とは果たしてどういうものか、死刑反対論者の空虚なきれい事はともかく、果たして本当に死刑という最終決定だけが選択肢なのか、そもそも日本の刑罰制度は多発する再犯に対して、上っ面ではないのか?という疑問を抱かせる構成になっています。

私は、基本的に死刑肯定論者です。

ですから、少なくとも死刑反対論者の中でも空虚なきれい事、誰でも反省して更正する事が出来るし、更正させるべしという考え方をする人は、そのきれい事を言っている自分が好きなだけの偽善者扱いしかする気がありません。

反省する人はするだろうが、反省しない人はどんな事があろうとも反省しないだろうし、更正する人はいるだろうが、更正する事なく人生を歩む人も掃いて捨てるほどいるだろうとしか思いませんので、じゃあ、更正する気が無い人間を生かさないためのリスク管理という意味でも、死刑は意味があると思いますし、強制的な再犯防止にも役に立つと考えています。

まぁ死刑がお手軽になりすぎて、政治的に死刑を頻発させるような社会になると困りものですが、それは別件という事で。

本書も殺人犯は死刑にすべきという信念のもとに動いている人間もいれば、偽善的な意味合いではなく死刑に対する疑問、死刑は無力だという意見も出てきて、それはそれで、信念に揺らぎが出てくるような作りにもなっています。

そういった、小説という形を使っての社会問題提起だけではなく、純粋にミステリーとしても仕掛けがしてあって、最後まで楽しめたので、テーマ性が強すぎるとなんとなく純粋に楽しめない、また死刑という制度に対して疑問を抱いているという形の作品というだけで、偽善者の偽善者による偽善者のための死刑廃止論と思って敬遠するという人がいるとしたらば、とりあえずテーマについて深く考えなかったとしてもエンターテインメント作品として楽しめるので大丈夫だと言えるのではないかなと思えますね。
虚ろな十字架虚ろな十字架
(2014/05/23)
東野 圭吾

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