今日の読書 室町耽美抄 花鏡/海道龍一朗

王道展開な燃える歴史小説が多い海道龍一朗ですが、戦や剣というような燃える展開が題材だけですでに決まっているようなものではなく、本作は室町時代を舞台に能、禅、茶という題材を扱い一見燃える展開になりそうもないものを扱いながら、芯は燃える王道展開という短編集に仕上げています。

『風花』は世阿弥元清、『花鏡』は金春禅竹を主人公とした能を主題にした話。

世阿弥が足利義満に寵愛されながら完成させようとした能が、ある意味争い事だらけというか内部での権力闘争だらけだった室町時代という時代に翻弄され流人になってしまう生涯と、その世阿弥の娘婿で弟子である金春禅竹は世阿弥が流刑にされたあとも京に残り、権力闘争、政治的な争いに巻き込まれながらも世阿弥の教えを何とかしようと奮闘していくというお話で、この2作は完全にセットになっています。

『闇鴉』は一休宗純を主人公にした、禅の道に対する奮闘記というか、出自によって翻弄され闇にどっぷりと使ってしまいながら、それでも無様に生かされていく話とでもいう感じですね。

間違えてもアニメの一休さんをイメージしてはいけないものになっています。

『佗茶』は村田珠光を主人公にした茶の世界に没頭した男の話。

世阿弥だけ少し時代が早いですが、そのあとの3人は同時代の人間ですので、絡みがあるというあたりで主人公こそ変わっていきますが、連作短編の要素もありますね。

歴史小説では室町時代はまだまだ新作が書ける余地が多い分野だと思うので、もっと増えてくれないかなぁと思いますね。

時代に翻弄されるという扱いですが、何気に室町幕府、足利家の面々を主人公にしても面白そうだなぁと思える描写だらけでしたので、内紛を軸に書いて欲しいと思うくらいでした。

でも、加藤段蔵無頼伝も続編を期待させる形で残っていますしねぇ。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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