今日の読書 浄土の帝/安部龍太郎

平清盛と源頼朝を中心とする、いわゆる源平合戦を中心とした物語では、源平を共にいいように操り引っかき回した謀略の権化のような人物として描かれる事が多い、後白河法皇を主人公にした歴史小説になります。

後白河法皇を主人公にと言うものの、後白河法皇となる前まで、皇位継承を巡る争いに巻き込まれつなぎ扱いの天皇となり、つなぎだからと早々に退位させられ上皇となり平清盛が勢力を強め後の源平合戦へと繋がる平治の乱の終結までの間の物語ですね。

狙いとしては、謀略に満ちたイメージに溢れる後白河法皇のイメージが、最近の研究ではそういうイメージが付いた事そのものは源氏目線の記録からだけという事で、事実とは異なりそうだという流れもあるそうですが、それに乗っかり今までのイメージを払拭する後白河像を造り出すというものになっています。

平安時代末期、藤原摂関家による利権構造にがんじがらめにされ、権威だけとなっている天皇家、しかもそのために血のつながりがあろうが関係なくどろどろの権力争いだらけで、あるはずの権威すら危うくなっている。

その流れに抗うように、権威として祭り上げられているけれども、実は軽んじられている神輿にすぎないという、ちょっと現代の世襲議員にも通じるような状態からの逸脱のために奮闘するという感じですね。

謀略を積極的に仕掛けるのではなく、謀略に対抗する、対抗するためには仕掛ける相手以上の謀略も出来なくてはいけないという感じですね。

当時の貴族達の保守性は、現在のお役所仕事と被るように描かれていて分かりやすいですね。

後白河法皇の従来のイメージを強く持っている、もしくはその部分しか実はよく知らないという私のような読者であれば、かなりイメージと違うとなると思いますし、これを踏まえて従来のイメージに繋がるとなると、苦労した影響だなというような印象を持つようになると思いますね。

私はこの時代について詳しくは無いので、すでに常識だろうと言われるとそれまでですが。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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