今日の読書 推理は一日二時間まで／霧舎巧

潰れたカラオケ屋を個室レンタルスペースに作り替えた『秘密基地』

店の名前の影響で、戦隊オタク、ゲームオタク、怪しい気功研究者などなど変人だらけの吹きだまりと化してしまっている。

その店で起きた事件を、推理は一日二時間までというネット上でやりとりするだけの探偵と一緒に解くという形の日常の謎系よりも少し事件寄りに踏み込んだ本格ミステリー小説の連作短編型長編になります。

基本は変な人達のやりとりを楽しむものになっていますし、戦隊オタクのグループの代表は黄色い全身タイツにフルフェイスのヘルメットで、メットには豹の顔が着いているという元ネタが分かりやすい物。

戦隊好きには、それこそ黄色なんだからカレーと言われると、しっかりと歴代イエローでカレー好き設定推しをしているのは２人しかいないという豆知識というか、ある種の常識小ネタを入れてきますし、ちょいちょい私は分かる小ネタが仕込まれているので、それを見てにやけるという変な楽しみ方ができたりします。

変人だらけの登場人物ですし、いわゆる本格ミステリーは小説ではなく推理ゲームだみたいな揶揄をされたりしますが、開き直って遊んでいる作品になっていますね。

普段ミステリーなんか読まないという戦隊好きがこれを読んで、ミステリーを手にするようなきっかけになったらば面白いかもと勝手に思いますが、果たしてそういう層がどれだけいるのか知りません。

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推理は一日二時間まで [ 霧舎巧 ]