今日の読書 壁の男/貫井徳郎

北関東の小さな集落の家々の壁が、子供が描いたような下手くそな絵でいっぱいになっている。

その絵に興味を持ったノンフィクションライターが現場に向かい、何故そんな絵でいっぱいになっているのか、描いている作者は何者で何の意味があるのかと何とか取材を試みるものの、絵を描いた男は自ら話そうとはせず。

男が絵を描くきっかけや、生い立ちに隠されたものはノンフィクション作家視点ではなく描いた男視点で時系列はほぼ昔に遡っていく形でえがかれる構成で明かされていきます。

貫井徳郎に外れ無しというのは私の評価になるわけですが、今回もその評価を崩すことはありませんでした。

ノンフィクション作家視点では徐々に情報が集まっていく、絵を描いた男視点の物語は徐々に遡っていき、こういう事が起きたからこう繋がっていっているんだというのが分かっていきます。

タイトルを見て、奇妙な絵が壁に描かれてるという情報だけですと、気の触れた人の物語なのではないかと予断を持ち、、その思考回路は恐らく安部公房の『箱男』や『砂の女』の影響が私にはあるのですが、そういう先入観があればあるほど、話が進んでいくと締め付けられるような気持ちになり、下手くそな絵が、何故増えていったのか分かるようになり、それはそれで切なくなりますね。

貫井徳郎は時系列順に進んでいくと言うわけでは無い物語手法が上手いよなと改めて思い知らされました。

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

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