今日の読書 ロシアの歴史を知るための50章/下斗米伸夫編著

タイトルそのままにロシアの歴史を50章でまとめたものになります。

近代国家として存在する前の段階、タタールの軛によって支配される側としてのトラウマを出発点に軛から解放され正教を軸に徐々にロシアとしてのまとまりを作っていき巨大国家としてのロシアが作られてから、革命によってソ連となり、ソ連が崩壊してロシアに戻ってそれからというのがざっくり過ぎる流れになります。

一応はぼんやりとロシアの歴史の流れは頭に入ってはいますが、どうしてもソ連崩壊付近から以降のことが分かりやすいですね、その前は元がぼんやりしか頭に入っていないので。

ソ連崩壊をソ連という特殊事例として扱うというのも考え方の1つでしょうが、私は現在の混沌とした世界情勢、グローバル化を進めてしまったからこそ起きている軋轢というものを考える上で、暴力的な左翼革命という不自然な国家体制、しかも戦時社会主義というまず暴力ありきでまとまるという非常に左翼らしい人工的な国家作りというものは、改めて検証する価値は高いと思えてならないですね。

共産主義の敗退は資本主義の勝利という二項対立構造で考えられる事が多く、決して全くの的外れ出会ったわけでは無いとは思いますが、力点は共産主義と資本主義という経済政策上の優劣に置くべきではなく、無理矢理1つの国家とするために、それまでの伝統文化や宗教、民族を一緒くたにするために強制的にフラット化した事は、現在の暴力的なリベラル勢力による伝統文化で土着文化に対し移民が気にくわないという理由で差別にすり替えて全否定するかのように喧伝して回るということに類似性を感じずにはいられないわけですし。

もちろん、ソ連崩壊は勝手に自壊したものではなく、米ソによる冷戦構造で軍拡競争を繰り広げて耐えられなくなったという側面は無視できませんが、これもイデオロギーを中心として拡大主義があったからこそ、共産主義を拡大しなければという変な義務感を持たずに、自国だけに収めていればまた違った展開もあり得たかもしれませんが・・・イデオロギーによる対立は不可避ではあったんでしょうね。

ロシアの歴史ではありますが、当然日本との関係、日露戦争、第二次大戦で火事場泥棒的参戦からのシベリア抑留、北方領土問題など基本的に良好な関係はできないままとなっている歴史的経緯、また北方領土を4島一括返還にこだわる理想主義がかえって足を引っ張る結果に繋がっている経緯(2島返還で仮に締結をしたとしても、素直に返還という流れになるかというと、平気でちゃぶ台返ししそうな国ではありますが)いろいろと興味深いですね。

ソ連時代から引き続きロシアという国は、常に世界情勢では緊張と緩和を繰り返し、安全という概念が育たない状況だよなぁとなっていますが、良くも悪くもロシアっていうのは強者であるという立場を失う事だけは出来ない国と理解すると、普通ならば妥協するだろという時に妥協しないでむしろ全力で喧嘩を売ってくるという流れになるもの分かる気になったりします。

問題は、そんなのが隣国にあって領土問題で揉めているということで、他人事として楽しめるというわけでは無いと言う事ですかね・・・


第Ⅰ部 ルーシからロシアへ

1 キエフ・ルーシの時代――国家の建設と諸公の分立
2 タタールのくびき――異民族支配のもとで
3 モスコーヴィア(モスクワ大公国)の台頭――第三のローマの誕生
4 大荒廃と動乱(スムータ)の時代――リューリク朝からロマノフ朝へ
5 ニーコンと古儀式派――17世紀の教会分裂
6 ウクライナ問題――もうひとつのルーシ

第Ⅱ部 ロシア帝国の時代

7 ツァーリと女帝――ピョートル改革に起因する女帝の誕生
8 ロシア帝国の領土拡張――多面的帝国の実相
9 コサック――ロシア帝国の尖兵
10 「大改革」の時代――西欧化と帝国の拡張
11 自由主義の時代――10月17日詔書への道
12 ユダヤ人問題――ロシアとユダヤの複雑な関係
13 19世紀の日露関係――通商関係樹立交渉から国境画定交渉へ
14 日露戦争と日露関係――敵国から同盟国へ
15 20世紀のロシア――帝国崩壊からソヴィエト体制へ
16 ベルジャーエフの時代――精神的転換と新たな世界観の探求

第Ⅲ部 ソ連邦の時代――「ユートピアの逆説」

17 レーニン――後進ロシアを社会主義の道へ
[コラム1]ロシア革命と古儀式派
18 戦時共産主義とユートピア――新しい人間の創造
19 共産党の支配――「党=国家体制」の成立と党内政治
20 ネップの農村――農民との「結合」の試みとその破綻
21 笑顔のプロパガンダ――1930年代の政治・文化
[コラム2]ハリウッドとコルホーズ――「楽しい生活」の映画プロパガンダ
22 飢饉とテロル――1930年代の悲劇
23 スターリン――20世紀が生んだ独裁者
24 大祖国戦争――偉大なる戦勝体験
25 米ソ冷戦と抑留問題――ソ連による捕虜の「ソヴィエト化」と米占領軍の「防衛網」
26 冷戦とソ連の核開発――米国製原爆のコピーから独自体制の構築へ
27 ソヴィエト農業の悲劇と勝利――最後の緊張の年1945~1970年

第Ⅳ部 変容するソ連――「危機の30年」

28 フルシチョフ改革――非スターリン化から共産主義建設へ
29 冷戦と米ソ関係――対立と協調の二重螺旋
30 日ソ交渉と日ソ関係――北方領土交渉の原点・共同宣言
31 ソ連と中国――同盟、対抗、そして戦略的パートナーシップへ
32 待ちの政治家ブレジネフ――「停滞の時代」と米ソデタントが象徴
33 デタントとエネルギー――エネルギー大国への道
[コラム3]デタント時代における日ソエネルギー協力について
34 ブレジネフ時代の社会――安定と停滞
35 ゴルバチョフ――冷戦を終わらせた男
36 世界を変えた「新思考外交」――冷戦の終結をもたらすが、残された課題も多く
[コラム4]「新思考」と北方領土――逃した接近の機会
37 ペレストロイカと民族問題――立て直し/改革/崩壊
38 国民の総意に基づかないソ連解体――主因はペレストロイカとレーガンの対ソ戦略

第Ⅴ部 よみがえるロシア

39 エリツィンとその時代――苦難に満ちた体制転換
40 ウクライナとロシア――ウクライナの対ロ姿勢と内政
41 ロシア連邦の民族問題――進行する二つのナショナリズム
42 よみがえる宗教――民族的伝統としての正教と正教民族としての記憶
43 経済体制の転換――石油・ガスに依存する粗野な資本主義の実現
44 農業・農村問題――生産の集中化と農村の過疎化の進行
45 プーチン――無名の治安幹部から世界レベルの大統領へ
46 オリガルヒ――国有エネルギー資産の民営化で生まれた寡占資本家
47 プーチン外交――欧米との「協調」から「対立」へ
48 ロシア独自の安全保障観――影響圏的発想と過剰な国防意識
49 ロシアと未承認国家問題――ロシアの近い外国に対する重要な外交カード
50 日ロ関係――ペレストロイカから21世紀へ

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