今日の読書 どうなる世界経済 入門国際経済学/伊藤元重

国際経済について、筆者が行った社会人向けセミナーをまとめたもので、講義を聴いている形で学ぶ形式のものですね。

経済学部の学生向けではなく社会人向けということで、理論的なものは学説によってというよりも現実経済で起きていることをメインに、数式を用いずに説明し、極論は廃して今現在悪化しているものがあっても全否定ではなく、いくつかの可能性の提示までに収めている講義だから当たり前ですが、テレビ番組の解説とかだともう少し極論に走りそうだなとか、何か叩く材料を見つけて叩くんだよなぁとか余計な事を考えてしまったりしますが、そういう視点を持つ方がある意味おかしいのですよね。

国際経済ということで、貿易であるとか通貨の問題というわけですが、基本スタンスとしては保護貿易によるマイナス面に力点を置き自由貿易のプラス面に力点をおいているのは感じますね、まぁ公平さや公正さをどうするのかという問題点、二国間合意ということですと、かつての日米貿易摩擦交渉という悪条件があったからこそTPPのような枠組みは政治的な殴り合いになる事を避ける意味があるという扱いになっていたりしますので、私のように行きすぎた自由貿易は理論上上手くいくとしても、現実では不満の方が高まりやすく理論と現実が乖離してしまうという危惧を持っているとどうだろ?というのはありますね。

個人的には、国際金融のトリレンマという①為替レートを固定する②独自の財政金融政策を実行する③自由な貿易や投資を認める、この3つを同時に達成することは不可能という概念を知ることでぼんやりと理解していた問題点が結構分かる感じになりましたね。

統一通貨ユーロの問題点として、②の独自の財政金融政策の実行ができないことが、ギリシャ財政破綻の立て直しを困難にしているという例は分かりやすいというか、手をこまねいていなければならない状況になっているそもそもの原因だと思っていましたが、国際金融のトリレンマという永遠の難題と考えれば分かりやすいと。

講義形式をまとめているので比較的に簡単に読めますし、マスメディアで何かというとすぐ極論の結論を煽っているのを何だかなぁと思うけれども、今ひとつぼんやりとしているという人が読むといろいろとすっと入ってくるかもしれません。

逆に分かりやすく極論で煽るようなもの、それこそ中国の問題を扱っているところで、ボロカスの結論を導いてくれることを期待するとかいう人には物足りないかもしれません。

はじめに
ガイダンス 国際経済学で日本と世界をつかめ
      1どうして国際経済学が必要か
      2中国経済はソフトランディングできる?
      3イギリスのEU離脱で始まる大きな変化とは?
      4新大統領でアメリカのTPP政策はどうなる?
      5本書の構成
 
第一講義 ざっくりわかるTPP
      1国際経済学の重要な指標
      2TPPはどこが画期的なのか
      3日本の選択
      4WTOの果たした役割

第二講義 「国際収支」と「為替レート」再入門
      1国際収支とは何か
      2為替レートと日本の競争力

第三講義 通貨制度から見るEUの未来
      1国際金融のトリレンマ
      2発展途上国と固定相場制
      3ユーロの導入

第四講義 比較優位理論とグラビティ・モデル
      1比較優位
      2自由貿易体制の確立と貿易摩擦
      3グラビティ・モデル

第五講義 中国は”先進国”になれるか?
      1BRICsをめぐる国際金融フロー
      2ミドルインカムトラップのメカニズム
      3中国のたどる道
      4地球温暖化と国際経済
おわりに 


テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

おまけ

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

茶留蔵

Author:茶留蔵
心身ともに不健康で知性が大いに不自由な社会不適合者

タグ
おまけ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
現在の閲覧者数:
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
ニューリリース
メタル
QRコード
QR
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログラム