今日の読書 グローバリズムその先の悲劇に備えよ/中野剛志・柴山桂太
TPP亡国論など、とにかくグローバリズムが世界を破壊するよというのを啓蒙活動中の中野剛志氏と柴山桂太氏の対談形式でグローバリズムの限界が明らかになっているからこそ、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領誕生が起きていて、それをイギリスやトランプ大統領というものを全否定で扱って、グローバリズムこそが正義とやっていると現実社会と乖離していくよというのを丁寧に扱っている1冊になります。
私は基本行きすぎたグローバリズム反対論者であり、あるべき姿はそれぞれの地域性、土着性、国民性が残るローカル至上主義ありきで、そのローカルの差異ありきの交流が出来る土壌を作るべき、いわゆるグローカルと言われるものこそが正義と思っている質ですので、いわゆるグローバリズム反対や積極的移民の反対、差別反対という暴力を使った土着文化の破壊などの問題点をあげつらうようなものを狙って読むようにしているのですが、これもその一環ですね。
日本の問題点としては、未だにグローバル化に正義を感じすぎていて、反グローバルな政治政党の存在の空洞化、いわゆる戦後冷戦状況下で保たれた平和というものを特殊なものではなく、普遍的なものであるという幻想を持ったままであること、そのため自国の平和のための行動という概念が育っていないことなどなど、まぁ米中が下手に手を組まれたらばそこで試合終了ですよと言うところに追い込まれているけれども、アメリカは永遠の同盟国という幻想は捨てられないまま、実際に日米同盟が強固なものではなくなるかどうかは別として、そういった選択しに対して備えが無いままということに対して無防備なままなど、狙って危機感を煽っている部分はあるのでしょうが、世界的に反グローバルに針が振りきれた時に対する準備がなさ過ぎは煽りまくりです。
まぁそれについては、中野氏の『富国と強兵』なんかにも書かれていますが、それを踏まえなくても対談形式ですので入り口として分かりやすくなっています。
日本の問題点は日本の問題点として扱っていますが、基本的にはイギリスやアメリカの問題をポピュリズムであるとか、排他的として低く扱おうとするが、そういう上から目線で批判しているエリート層こそが現実社会と乖離しててむしろ問題であり害悪であり、お前らに言われたくないという事であり、トランプ大統領の問題提起そのものは的外れではない、ただし、解決法の提起が下品で的外れなものが多々含まれていて全否定したくなるものだらけになったりするが、だから問題提起も的外れというような扱いをしていると、現実を見誤ると、それにトランプ大統領が成功した大統領となるとは思えないが、時代を変えるきっかけとして今後は反グローバルな勢力が力をつけていく可能性は高いという事。
そして、経済学分野になりますが、とかく幅を利かせている主流派経済学、新自由主義の限界が見えているにもかかわらず、幅を利かせ続ける事によって資本主義構造の限界が来てどんどん世界的に不景気になっていくだろうと。
この構図は第1次世界大戦や第2次世界大戦にも似通っているが、当時の総力戦によって景気回復という事に結びつけられた時代と違って、現代の戦争は景気回復の起爆剤となり得ない状況が次々に出来上がってきているから、なかなか難しいしよと、タイトルに悲劇に備えよと入れているだけあって、まぁ悲観的なこと悲観的なこと(苦笑)
『富国と強兵』に被る部分が沢山ありますが、短くコンパクトにまとまっているのはこっちですので、グローバル化というのは正義ではないよというのに引っかかりを感じる人は是非一読して欲しいなと思える一冊です。
はじめに 思想の座標軸を設定し直そう
第1章 「怒りの政治」が世界を覆う
第2章 EU離脱は国民主権の回復
第3章 真の冷戦終結で日本はどうなるか
第4章 悲劇の時代に何をなすべきか
おわりに グローバリゼーションが国家を作る
私は基本行きすぎたグローバリズム反対論者であり、あるべき姿はそれぞれの地域性、土着性、国民性が残るローカル至上主義ありきで、そのローカルの差異ありきの交流が出来る土壌を作るべき、いわゆるグローカルと言われるものこそが正義と思っている質ですので、いわゆるグローバリズム反対や積極的移民の反対、差別反対という暴力を使った土着文化の破壊などの問題点をあげつらうようなものを狙って読むようにしているのですが、これもその一環ですね。
日本の問題点としては、未だにグローバル化に正義を感じすぎていて、反グローバルな政治政党の存在の空洞化、いわゆる戦後冷戦状況下で保たれた平和というものを特殊なものではなく、普遍的なものであるという幻想を持ったままであること、そのため自国の平和のための行動という概念が育っていないことなどなど、まぁ米中が下手に手を組まれたらばそこで試合終了ですよと言うところに追い込まれているけれども、アメリカは永遠の同盟国という幻想は捨てられないまま、実際に日米同盟が強固なものではなくなるかどうかは別として、そういった選択しに対して備えが無いままということに対して無防備なままなど、狙って危機感を煽っている部分はあるのでしょうが、世界的に反グローバルに針が振りきれた時に対する準備がなさ過ぎは煽りまくりです。
まぁそれについては、中野氏の『富国と強兵』なんかにも書かれていますが、それを踏まえなくても対談形式ですので入り口として分かりやすくなっています。
日本の問題点は日本の問題点として扱っていますが、基本的にはイギリスやアメリカの問題をポピュリズムであるとか、排他的として低く扱おうとするが、そういう上から目線で批判しているエリート層こそが現実社会と乖離しててむしろ問題であり害悪であり、お前らに言われたくないという事であり、トランプ大統領の問題提起そのものは的外れではない、ただし、解決法の提起が下品で的外れなものが多々含まれていて全否定したくなるものだらけになったりするが、だから問題提起も的外れというような扱いをしていると、現実を見誤ると、それにトランプ大統領が成功した大統領となるとは思えないが、時代を変えるきっかけとして今後は反グローバルな勢力が力をつけていく可能性は高いという事。
そして、経済学分野になりますが、とかく幅を利かせている主流派経済学、新自由主義の限界が見えているにもかかわらず、幅を利かせ続ける事によって資本主義構造の限界が来てどんどん世界的に不景気になっていくだろうと。
この構図は第1次世界大戦や第2次世界大戦にも似通っているが、当時の総力戦によって景気回復という事に結びつけられた時代と違って、現代の戦争は景気回復の起爆剤となり得ない状況が次々に出来上がってきているから、なかなか難しいしよと、タイトルに悲劇に備えよと入れているだけあって、まぁ悲観的なこと悲観的なこと(苦笑)
『富国と強兵』に被る部分が沢山ありますが、短くコンパクトにまとまっているのはこっちですので、グローバル化というのは正義ではないよというのに引っかかりを感じる人は是非一読して欲しいなと思える一冊です。
はじめに 思想の座標軸を設定し直そう
第1章 「怒りの政治」が世界を覆う
第2章 EU離脱は国民主権の回復
第3章 真の冷戦終結で日本はどうなるか
第4章 悲劇の時代に何をなすべきか
おわりに グローバリゼーションが国家を作る
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