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今日の読書 伊藤元重が警告する日本の未来/伊藤元重

経済学者である筆者による日本経済の流れのイメージを、テーマごとにまとめたものになります。

日本の未来に警告するというようなタイトルから、このままでは日本の未来は暗黒であるとか、このままでは日本は破綻するとか、円高が50円まで進んで大恐慌が起きるとか、そういった論理的な分析というよりも、分析ですよという見せかけの極論というような、それって科学的予測ではなく願望だよねというようなものを期待する人には肩すかしを受けることになるような、オーソドックスな技術革新や政治変動によってどういうことが起きえるか、成功するとすればどういう方向へ失敗するとすればどういう方向へ、それぞれ成功と失敗のどちらか極端な結果ではない起きえそうな着地点はどういう感じになるのかの考察になります。

技術革新において、人工知能AIの進化によって仕事が奪われる人が多々出るという悲観的予測については、もちろん職が奪われる人も直接的に出てくることは避けられないだろうが、そういう予測そのものは新しくて古いものであり、かつての工業化でも同じ事が起きているし、AIでは賄えない部分を人間がやるという事に落ち着いていくだろうし、そもそも現在の日本では労働者不足というのが喧伝され続けていることを考えれば、仕事を奪われるというよりも足りない所が埋められるという方に力点を置けば良い話だし、これからは技術革新を軸に社会構造を変えていけば良い、だからこそデフレスパイラル脱却の意味も込めて国内投資が大流行するようになっていかなければいけないというのが、おおざっぱなまとめとも言えますかね。

トランプ大統領が就任した影響や、イギリスのEU離脱という事から、グローバル経済というものから、保護主義へと移っていきそうな気配が出ているというのも、分かりやすく完全グローバル化と完全保護主義化という極論と極論の2択によって話を煽ることの害悪に踏み込んで説明しているのはありがたいというか、極論でしか物事を考えない人(そういうように誘導するような、物事を分かりやすく単純化したがるマスメディアなど)に対し楔を打ち込もうという狙いもあるんだろうなというのは読んでいて、私がそう考えているからというのも込みで強く引っかかります。

民主主義は絶対的に正しいと言い切れるものではないと、ポピュリズムと合せて分析してくれているのもありがたいと思ったりもしますし。

個人的にはデフレ脱却の必要性であるとか、デフレマインドからの逸脱というのはもっと強調してもいいなぁと思っていたりしますねぇ、どうも日本のマスメディアと表看板では弱者保護を掲げているような政治家がインフレ抑制こそが正義で、デフレはむしろ好ましいという感覚を持ちながら、同時に財政赤字削減が正義という超絶市場原理主義で弱者は永遠に弱者固定する社会を望んでいるという意味不明状態ですからね・・・

ここら辺は、ある意味戦時中のマスメディアの世論形成である欲しがりません勝つまではのマインドが大好きなんでしょうが、本当に戦時中の世論が大好きな人達がマスメディアを牛耳っているんだろうなぁって思う事例として意識しておいた方がいいんでしょうね。

第1章 AI、IoTの予想を超えるダイナミズム
第2章 技術革新は世界経済の停滞を打破できるか
第3章 入れ替わる勝者と敗者
第4章 ベンチャーに潰される大企業・大銀行
第5章 シェアリングがビジネスと働き方を変えていく
第6章 「マルチ」から「バイ」へと流れが変わった通商交渉
第7章 トランプ政権の保護主義とどう向き合うか
第8章 保護主義vs.市場主義のゆくえ
第9章 デフレ脱却のチャンスをつかめるか
第10章 働き方を一新しなければ経済は変わらない
第11章 2025年問題に向けた社会保障改革

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