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今日の読書 医療現場の行動経済学 すれ違う医者と患者/大竹文雄・平井啓

個人的に行動経済学に興味を持ち、何冊も目を通していたりするわけですが、社会科学系の学問はとかく、理論的に素晴らしい、理論的にこれは説得力があるとして出来上がったはずの学説が実は現実とは乖離している、もしくは、かつて有効だったはずのものが有効にならなくなっているという事はままあることで、過去には説得力があった学説や思考(実はそう思っていたことが、最初から違っていることもありますが)を使って、社会問題を解決しようとして大失敗した場合、出発点から現実と乖離していたという事を認めようとせず、社会の方が間違っていると言い出す意味不明の人が出てきたりして閉口してしまいますが、現実と乖離しているのならば前提条件が間違っているという事で出てきているのが行動経済学という事で注目してしまうわけですね。

伝統的な経済学では全て合理的に人々は判断するという前提条件が、そんな奴いねぇよ!という事で、合理的に判断しないならば、どういう判断をしているのか、根本的に判断もへったくれもない選択をするのはどういう場合なのか、などなど心理学の手法を取り入れて検証しているのが行動経済学というわけですが、同じく合理的に判断していそうな医療現場も実はそうはなっていない、患者が判断出来ないのはある程度仕方が無いが、それにもかかわらず昨今の医療現場は医者主導で何でも決めていくのでは無く、情報開示していくつかの選択肢を提示し、患者が判断し選択するようになっている。

その時に、死に直結するような病気であっても、治療方針をいつまで経っても決断できないような状況が数多あるのは、患者側の問題だけではなく、医者側がたとえよかれと思った言動であったとしても、患者には不安を煽るような結果にしか成っていない場合が見受けられる。

そうであれば、どう行動する事で、中身は同じであっても悪い方に取られないようになるのかというものであるとか、意思決定のために最初から何を組み込んでおけば良いのかなどなど、バイアスの懸かり方、バイアスの種類などをあげて、検証しています。

行動経済学という分野がもっと普遍的に広まれば、面倒なことを面倒と思わせないでやることが出来そうという実例が多く、医療関係者だけではなく、人の上に立つ側の人は理解しておいた方が良さそうだなということだらけですね。

バイアスを理解し利用すると言うことですから、悪用も十分出来るわけですが、心理学分野と考えれば悪用するのもあり得るので、今更でしょうし。

第1部 医療行動経済学とは
 第1章 診療現場での会話
 第2章 行動経済学の枠組み
 第3章 医療行動経済学の現状

第2部 患者と家族の意思決定
 第4章 どうすればがん治療で適切な意思決定支援ができるのか
 第5章 どうすればがん検診の受診率を上げられるのか
 第6章 なぜ子宮頸がんの予防行動が進まないのか
 第7章 どうすれば遺族の後悔を減らせるのか
 第8章 どうすれば高齢患者に適切な意思決定支援ができるのか
 第9章 臓器提供の意思をどう示すか

第3部 医療者の意思決定
 第10章 なぜ一度始めた人工呼吸管理はやめられないのか
 第11章 なぜ急性期の意思決定は難しいのか
 第12章 なぜ医師の診療パターンに違いがあるのか
 第13章 他人を思いやる人ほど看護師に向いているのか

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