地下室で手記今日の読書　伊勢佐木町探偵ブルース／東川篤哉

今日の読書　伊勢佐木町探偵ブルース／東川篤哉

伊勢佐木町に事務所を構える私立探偵の桂木圭一は今時スカジャンを着て頭の悪いチンピラのような舎弟とともに知名度は低いものの生活に困るという事は無い程度に仕事をこなしているが、母親ががっつりと富裕層の神奈川県警の本部長と再婚、神奈川県警のエリート刑事が義理の弟になってしまったという事で、事件性のある依頼から一件事件性の無い依頼が殺人事件と実は関係があって、はっきりと協力関係を作るわけでは無いけれども義兄弟で事件を解決するという形の連作短編集になります。

東川篤哉らしい地元ネタ満載、関内近辺が舞台ということもあり、重大事件を見知ったきっかけとしてｔｖｋと神奈川新聞というのがやたらと強調されたり、野球ネタの多い東川篤哉ですから当然ベイスターズ関係のものも出て来たりと、非常にらしいと思わせる感じですが、今までの作品からするとコンビの関係性が捻っているのが大きな特徴ですね、職業上のコンビと義兄弟としてのコンビという２つを使い分けているということで。

シリーズ物も多いですし、ミステリーとしての謎解き要素よりも、それぞれのやりとりの面白さに力点を置いている作家ですので、使い分けというのは新しい発見になりますね。