今日の読書 衝天の剣 島津義弘伝上/天野純希
島津義弘を主人公にした歴史小説であり、島津四兄弟の末弟家久を主人公にした『破天の剣』の実質的な続編になります。
豊臣秀吉が天下統一をなしとげたあとの島津家、豊臣家の軍門に降ることになり、滅ぼされこそしなかったものの、大幅に勢力は削がれ、幾重にも罠が張り巡らされ、島津家としての一体感を喪失させ分裂させるように仕掛けられというところから始まり、朝鮮出兵という無益な戦の撤退までを描いています。
勢力拡大という上り調子の物語から一転、現状維持すら困難というよりも、島津家の勢力を削ぐために豊臣家が仕掛けたとしか思えない暗殺疑惑、そして国外出兵の典型的な失敗例でもある朝鮮出兵。
補給体制をおろそかにし、一定以上現地調達を計算にいれていたがために起きた悲劇、貧しいく、寒い不毛の地で戦わなければいけず、言葉も何も通じないがゆえに必要以上に殺戮を繰り返さないといけないが、とにかく何も得る物が無い無力感などなど。
鬼石曼子と恐れられるなど、戦国武将として島津義弘が活躍してはいるのですが、無益な殺生という国外問題と、島津家を何とか守らないといけないという国内問題と両面ともにただただ大変だよなと思わされる時期の話だよなって。
こういう敗者として生き延びていく立場の話って、これはこれで面白くはあるのですよね。
これは上巻扱いで下巻は読む前から何が中心の話になるのかは分かりやすいというのも歴史小説の特徴ですよね。
豊臣秀吉が天下統一をなしとげたあとの島津家、豊臣家の軍門に降ることになり、滅ぼされこそしなかったものの、大幅に勢力は削がれ、幾重にも罠が張り巡らされ、島津家としての一体感を喪失させ分裂させるように仕掛けられというところから始まり、朝鮮出兵という無益な戦の撤退までを描いています。
勢力拡大という上り調子の物語から一転、現状維持すら困難というよりも、島津家の勢力を削ぐために豊臣家が仕掛けたとしか思えない暗殺疑惑、そして国外出兵の典型的な失敗例でもある朝鮮出兵。
補給体制をおろそかにし、一定以上現地調達を計算にいれていたがために起きた悲劇、貧しいく、寒い不毛の地で戦わなければいけず、言葉も何も通じないがゆえに必要以上に殺戮を繰り返さないといけないが、とにかく何も得る物が無い無力感などなど。
鬼石曼子と恐れられるなど、戦国武将として島津義弘が活躍してはいるのですが、無益な殺生という国外問題と、島津家を何とか守らないといけないという国内問題と両面ともにただただ大変だよなと思わされる時期の話だよなって。
こういう敗者として生き延びていく立場の話って、これはこれで面白くはあるのですよね。
これは上巻扱いで下巻は読む前から何が中心の話になるのかは分かりやすいというのも歴史小説の特徴ですよね。
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