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今日のリュウソウジャー総括

昨日無事にリュウソウジャーが最終回を迎えましたという事で、恒例としている総括という名の全体感想をダラダラと書いておこうと思います。

戦隊シリーズは長年続いていますが、その理由の1つにお約束が決まっているからこその良さ、定番、様式美というものがあると思います。

ただお約束を固定しすぎると単なる同じ事の繰り返しになってしまい、それを打破するため実験作を作ったり、全体としては大きく変わったことはしていなくても、その後に続く新たなお約束となりえるものを入れてきたりしています。

その結果、傍から見れば同じものであっても、しっかりと何作か見ていると作品ごとに別物であるというのを提示し続けている、作品ごとに個人の好みが出たり、その好みに照らし合わせて出来不出来を感じてしまったり等々。

前々作のキュウレンジャー、前作のルパンレンジャーVSパトレンジャーと分かりやすく実験作として打ち出されたものが2年続き、そろそろ王道作、定番作に戻らないとそれはそれでシリーズとして軸を見失うかもしれないと危惧したなかで始まったのがリュウソウジャーになります。

とはいえ、放送開始時期を微妙にずらすためルパンレンジャーVSパトレンジャー終了後にスーパー戦隊ヒーローバトルという過去作品から選抜されたメンバーが関わる話が間に挟まり、そこにテレビ本編放送前にガイソーグと変身しっぱなしのトワとバンバが入っていたりという意味では変化のついたものでもありましたが。

本編放送前の前情報として実験作が続いたから今回は王道展開を目指す、基本的に明るいものを狙う、ただ過去にあったものと全く同じにならないように独自なものはやるという事は目にしていたので、基本そういうものになるのだろうという予想はありましたが、メインプロデューサーは特撮現場に戻るのは21世紀になってから初というのと、メイン脚本も特撮初というのが引っかかりはしましたかね。

リュウソウジャーは恐竜モチーフ、リュウソウ族という人間よりも長生きする種族が代々騎士の称号を受け継いでいて、人里離れた所に住み、そこが破壊されることによって人間界に出て来てというところから始まるなど、ファンタジー系の戦隊の定番のような始まり方であり、初回はこれは本当に王道回帰だと思わせられるものになりました。

しかし初回にあった王道展開への期待というものは早々に撃ち砕かれ、序盤はリュウソウジャーで用意していた独自路線部分が足枷なのではないかというものとなり、早い段階でこの作品は大丈夫だろうかと不安の方が強まります。

マイナソーという人間から作り出す怪物、人間のマイナスエネルギーを集めて力をつけ巨大化し放っておけば生み主は死ぬ。

この独自要素が話を重くし、勝手に巨大化してしまうため等身大での戦いで気持ちよくけりがつかず、ドラマ性が強まってしまい30分番組の尺にあっておらず消化不良も起こしやすい、こういったことは非常に目に付いてしまい、さらにまだお互いによく知らない段階で、ういからマイナソーを生み出させてしまったために、表は明るく振る舞っているけれども実は・・・という話を提示されても感情移入をしようがないという事になったり、コウ、メルト、アスナの幼馴染み3人組とトワとバンバの村を先に出ていた兄弟との行動規範の違いに対しても、コウ達もまだ立場が固まりきらないところに、マイナソーの生み主をい無くすればそれで解決するというバンバの行動はただただ力技過ぎたり、仲間になりそうでならないという流れが長く続いてしまったりなどなど、改めて初期段階からリュウソウジャーは1話の中の尺の使い方だけではなく、全体の尺の使い方に難がありそうだと、その要因は久しぶり過ぎる特撮現場のメインぷろでゅーさーと、初めて特撮現場となる脚本家にメインを任せてしまった事が悪い方に出てしまったのだろうと判断せざるを得なかったと。

出足に失敗してしまうと修正するのはなかなか難しいものですが、1年というスパンでやらなければいけない事が沢山ある戦隊で強制的に新展開をしないといけないというのもあり、そこを区切りに修正しやすいというのも特徴になっていて、恒例の追加戦士イベントとなるカナロの投入は序盤上手く回せていなかったところを一気に修正出来た感じになったと考えています。

婚活をして女性に迫ってはフラれるという笑いにしやすいカナロという要素を入れてから、重たい展開の話を抑える事に成功しましたし、トワとバンバが仲間になってからもコウ達と2組に分かれていると対立構造的になってしまうのを3つに分けることで対立要素をなくす事になりましたし、キャラクターも持ち味を発揮しやすくなっていって、カナロを便利に使いすぎた感はありましたが、分かりやすく修正に成功し、これ以降は細かい所で気になるし、通常の戦隊のセオリーや尺の使い方とは別物でいろいろと予測しにくいけれども、そういうものとして楽しみやすくなったというのはあります。

全体の尺の使い方として予測不能となったのはドルイドン勢の扱い、マイナソーを作り中間管理職的なポジションのクレオンにタンクジョーという上司がいるというのが序盤でしたが、タンクジョーは早々に撃破、続いてワイズルーがやって来てクレオンは次々現れる新たな上司に振り回される形式になるのかと思いきや、ワイズルーはひっぱり、ワイズルーがいる間にガチレウスがやって来て先に撃破されるかと思いきや実は生きていましたとやってみたり、ドルイドンは沢山幹部クラスが出て来ますよというように思わせられながらも終盤までワイズルーとガチレウスで引っ張りそこにプリシャスも加わり銅収集するのか見えにくいペース配分というのも、過去作から外れた作り方になっていて驚かされましたし展開の予測が出来ない作品だと改めて思わされました。

個人的に戦隊はメンバーのバランスが悪い作品になってしまうと残念な気持ちになりがちなのですが、リュウソウジャーは騎士竜で最初からいるなかで喋るのがティラミーゴだけ、基本パワーアップ材料になるようなリュウソウルを手にするのはコウが多目、カナロが加入してから導入部でカナロが使われることが多目などバランスに偏りが出てそのまま行ききってしまいそうな所が目立ちながら、コウが手に入れたリュウソウルであっても他のメンバーに早い段階で使い回しにして上手く活用してみたり、ナダが合流してからの話もナダとコウの絡みに偏りそうなところを、元々バンバが知り合いであったりとか、マスターグリーンについても知っているナダがトワと絡みをみせたりなど上手くバランスをとっていた印象があります。

ナダに関してはこの作品で目立った尺の使い方というところでひっかかりがありまくり、立場であるとかガイソーグであったりとかを明かすまでに時間がかかったり、ガイソーグの呪縛が解けて、これから仲間になるんだとなってから1回でお亡くなりになったりとありましたが、出始めてからの胡散臭さ具合から退場になる直前の吹っ切れたところまで良いキャラクターを発揮しましたし、何だかんだと6忍のキャラクターを埋もれさせないで上手く扱えたという事でも終盤重要な展開だったとリアルタイム時よりも振り返って強く思わされる事になりました。

あと、バランスというと序盤コウとアスナという考えるな感じろな脳みそ筋肉系の2人に色々と考えてしまうメルトが気の毒な扱いになるという事が目に付きましたが、オトちゃんが入ってからはその気の毒な扱いを帳消しにするくらい好待遇になったというのは、気の毒な扱いから一気に修正したなという珍しい所ですね。

珍しいという所では、アスナというのも大食漢の力こそパワーという女性戦士としてはそれを貫き通すというのは前例は少ないキャラクターだと思いますが、わりと残念なところを見せながらも、最終決戦では啖呵を切って一番熱く戦うという中心軸になったというのも珍しい例ではないでしょうか。

エラスがラスボスとなりますよという展開になってからは、ある意味唐突感が強かったですし、リュウソウ族もドルイドンも共にエラスが作り出したものという創造主だったという超展開でしたが、ここら辺も尺の使い方を修正すれば説明不足に感じたところも何とかなったのかなぁと思ったりはあります。

エラスを倒すのがコウではなく、コウが倒れて残された5人だったという展開もレッドがいればそれでいいんじゃないかという展開に対する逆をいっていて、新たな可能性を提示したという事では戦隊史上にとって意味があるかもしれないと思えたりもしますね。

リュウソウジャーは改めて考えると評価が難しい、諸手を挙げて賞賛は出来ないものの序盤上手く行っていなかったものを修正出来た事は大いに評価が出来ますし、バランスが崩れそうな所を見せながらも上手く避けて実はメンバーのパワーバランス、重要度のバランス、出番のバランスなど上手くとれていた作品という意味では高評価をつけたくなります。

どうしても序盤の1話における尺の使い方、1年というスパンにおいての尺の使い方、設定の説明についての説明不足、整合性の危うさあたりが足を引っ張ったというのはあると思いますし、そこが気になると序盤で見切ってしまう危うさはあったのではないかと。

あと、長老はもっと出番があるものだと思っていたのに、ほぼほぼ登場しなかったり、せっかくマスター達が全て東映特撮作品経験者なのに、こちらも思ったほど出なかったり、龍井家ではお父さんが思いの外出続けてくれましたが、ういが今ひとつ生かし切れなかったりとか、もう少し色々とあるだろうなと期待していたところが拾われなかったりというのはありますが、ここら辺は勝手な期待なので知らんがなですまされますね。

全肯定こそできないものの、楽しめるものは沢山あった作品であることは間違いなく、それこそこの作品を作り手側が検証して全体の過不足の調整をし直して、次の作品に生かせる環境があればこれを踏まえて良い作品が出来そうだなと思えるものだと考えます。

毎回総括と言いながら総括と言い張っている方がいろいろと調整した方が良いなとは思いますね。
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