今日の読書 目を見て話せない/似鳥鶏
推理は出来るけれども会話が出来ない、極度のコミュ障の大学生が探偵役となる日常の謎系のミステリー連作短編集になります。
自意識過剰で自己卑下が強く、それがゆえに会話を成り立たせるのが非常に困難という個人的に感情移入しやすいタイプという事で、それがそのままだと何かしら事件が起きたところで解決のしようがないのですが、落とし物を見付けても拾って事務に届け出る事によって生じる会話を避けるが為に落とし主を見付けて届けた事をきっかけに探偵役としてなり立っていくという流れになっています。
名探偵が孤高の変人という設定は結構ありますが、その場合助手役視点で語られたりと探偵の内面描写というのは基本的に描かれないものですが、この物語ですと主人公が探偵役で推理の過程が描かれますが、他人からの目線を極度に気にするコミュ障だからこその葛藤描写に力点が入っていて、理論構築をどうやって伝えれば良いのかという探偵役としては珍しい悩みが描かれていて楽しめます。
個人的に主人公である藤村京とその回りにいる同級生たちが魅力的なのでシリーズ化を期待してしまいますが、シリーズ化するならばすでに色々と手の内を見せてしまったので難しいかもしれないので、非シリーズ作品だからこそのものだったとして十分満足は出来るものになっています。
自意識過剰で自己卑下が強く、それがゆえに会話を成り立たせるのが非常に困難という個人的に感情移入しやすいタイプという事で、それがそのままだと何かしら事件が起きたところで解決のしようがないのですが、落とし物を見付けても拾って事務に届け出る事によって生じる会話を避けるが為に落とし主を見付けて届けた事をきっかけに探偵役としてなり立っていくという流れになっています。
名探偵が孤高の変人という設定は結構ありますが、その場合助手役視点で語られたりと探偵の内面描写というのは基本的に描かれないものですが、この物語ですと主人公が探偵役で推理の過程が描かれますが、他人からの目線を極度に気にするコミュ障だからこその葛藤描写に力点が入っていて、理論構築をどうやって伝えれば良いのかという探偵役としては珍しい悩みが描かれていて楽しめます。
個人的に主人公である藤村京とその回りにいる同級生たちが魅力的なのでシリーズ化を期待してしまいますが、シリーズ化するならばすでに色々と手の内を見せてしまったので難しいかもしれないので、非シリーズ作品だからこそのものだったとして十分満足は出来るものになっています。
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