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今日の読書 労働者の味方をやめた世界の左派政党/吉松崇

右か左か政治を簡単に分ける事は出来ないですし、言葉のとらえ方に関しても社会科学分野のものは分析ツールが違えば(学問分野が違えば)右側の考え方なのか左側の考え方なのか容易に捻れがあり、その捻れに気がつかないまま自分の考え方とは別の相手を右や左だと罵倒語として使うという、なかなか地獄な状況になっているのが現状かなと思ったりする事は多々あります。

グローバリズム、人、金、物の移動が自由な社会、これが推し進める社会というのは弱肉強食を進める経済的強者のための社会になりがちであり、本来であれば社会的弱者を守るためにはグローバリズムは制限すべきという考え方になるはずなのですが、経済という分析手法を使わない場合、グローバルをナショナリズムであるとか、排他的、人種差別と対立軸ととらえて社会的弱者の味方という表看板を使いたがる左側が積極的に推進したがるというねじれが起きているというのは何だかなぁと思うわけですね。

そういった状況が何で起きてしまっているのか左派政党の志向がどうなっているのかを理解するために非常に分かりやすく分析しているのが本書になるかなと思います。

政治分析としての手法は経済学で珍しく一般層に知られることになったらしい(実際にどうなのかは知りません)ピケティの政治分析として左派政党の支持基盤が低学歴労働者から高学歴労働者へとシフトしたという事である程度説明が出来、そこを軸に全てを考えていくと、イギリスのEU離脱の支持層であるとか、アメリカでトランプ大統領がそれまでの共和党の主張とは別物の極論を出しながらも誕生した経緯などが分かると。

海外の事も重要ですが、日本人としては日本のことが重要であり、日本の左派政党の問題点として弱者のための政党では無かったというのがガッツリ分析されていますし、政権交代で登場した民主党政権というものが実際に政権運営した事によって浮き彫りになったという意味では非常に大きかったと。

日本の左派というよりも野党に関しては永遠の野党だからこその主張、政権批判中心であったというのと、基本的に右肩上がり成長が前提の労働組合を支持基盤にしていたのが、それが崩れた時に経済問題に関して、経済的弱者保護という観点の中に中産階級保護という観点が抜け落ちていて景気回復という視点が全く無かったという事が大きいなと改めて。

高学歴エリートにありがちなきれい事な理想主義に進みすぎた結果、財政健全化を目指した緊縮財政至上主義、緊縮財政を目指すためにコンクリートから人へという表看板としては一見すると素晴らしいものへシフトしていったり、人種差別はよろしくないという表看板の素晴らしいものを前面に出しての移民受け入れであるとか、挙げ句の果てに消費税増税へ向かわせてみたり…

諸々ありますが、今後日本国内の政党で支持を得たいのであれば、消費税大幅減税であるとか財政破綻は当面スルーで財政拡大をすることだというのを前面に出していけばいいんじゃねというか、現在のコロナ禍不況に突入を見据えるならば、一番手っ取り早い処方箋は消費税減税だよねって。

はじめに エリートに対する大衆の反乱
第1章 ピケティオ政治分析から見た政党の変質
第2章 「弱者」のための政党が消えた日本
第3章 移民の政治経済学
第4章 マクロン大統領とフランスの危機
第5章 ブレグジットとイギリスの行方
第6章 アメリカ二大政党の将来を読む
第7章 EU難民問題 日本への教訓

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