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今日の読書 信長の革命と光秀の正義/安部龍太郎

真説本能寺という事で、本能寺の変についての考察という軸を見せておいて信長の他人とは違う天才としての特異性、日本の歴史で抜け落ちている戦国時代はグローバル社会であり、大航海時代の貿易、キリスト教徒の影響の大きさの再認識を促すという事と、朝廷という日本従来の権力(権威)構造と近衛前久という存在の重要性などなどをまとめています。

本能寺の変の真相という日本史の謎というのは、一般人視点と学者視点では興味の持ち方が全く別物、学者界隈では黒幕探しといかそういうものは興味を持たず、その後の影響、起こった事実を積み重ねて考察するというのが主流という事らしいですが、学者と一般人の興味の違いという意味では作家はいかに学者視点とは別物を提示していくか、全くのデタラメでは困るけれども、いかに面白く考察するかというのが腕の見せ所、歴史作家でいえばそういった説をいかに組み込んで作品にしあげるかということになると思います。

信長を扱った小説も多く出していますし、この作品の前著的な扱いの『信長はなぜ葬られたのか』での主張をそのままブレずに再確認する感覚となっています。

本能寺の変の真相がどうであったかは分かりませんが、歴史を考える上で戦国時代の日本が国内状況での考察に力点を置きすぎて、南蛮貿易の影響、キリスト教徒の影響(功罪両面)についてはもっと意識していかないといけないという事は意識しておくというのは正解でしょうね。

個人的にはグローバル社会を絶対的に善という出発点から考える事は危険だと思っていますが、グローバル社会の功罪を考えるためには、根本的に理解していない事には始まらないというのはありますからね。

第1章 光秀単独犯行はありえない
第2章 謎だらけの明智光秀
第3章 革命家信長の光と闇
第4章 戦国時代はグローバル社会だった
第5章 戦乱の日本を覆うキリシタンネットワーク
第6章 「本能寺の変」前と後 

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