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今日の読書 迷宮の月/安部龍太郎

白村江の戦いによって国交が断絶してしまった唐との国交を結び直すために半世紀ぶりに長安に遣唐使として渡ることになった粟田真人を主人公とした歴史小説になります。

遣唐使の存在は知っていても、なかなかこの時代を題材とする歴史小説というのはお目にかかれないという意味でも貴重な作品になりますね。

粟田真人の名前は正直覚えていなかったのですが、一緒に唐に渡った山上憶良は遣唐使としてではなく歌人として知ってはいたので、ちょこちょこ歌を残すシーンが出てきて、見覚えがある歌だったりすると妙に嬉しくなる感じがするのは、歴史小説として読むには一切流れが分からない時代だからこそというのはありますね。

苦労して海を越えて唐に渡り、権謀術数渦巻く中に放り込まれ、当時の中華思想として君臨している冊封体制と、その配下になる事によって天皇中心という日本が根幹が崩されかねないという事から対等関係に持ち込まなければいけないという困難極まりない使命をどうやって乗越えるのかというものですね。

名実共に冊封体制にがっつりと組み込まれなかった島国だからこその日本と、大陸的な価値観からわざわざ遠方の島国に本気出すという所まで行かなかった唐の立場といいかなりの駆け引き具合ですね。

かなり苦労して当時日本を大いに上回る文化を誇り、学ぶべき点が多すぎた唐と決死の覚悟で国交を結んだのは大いなる成果だよなと思えるのと同時に、白紙にもどすんだよなという歴史上の出来事が頭をよぎってしか箍亡かったりというのもありましたね。

この時代だと史料となるものが少ないので小説にまとめる作業は自由度の高さと、どこまで書かれていないことに踏み込めるかの見極めとが大変だったろうなというのは個人的な感想になります。

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ジャンル : 小説・文学

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