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今日の読書 ジェノサイド/高野和明

2012年版のこのミステリーがすごい1位にも選ばれた作品になります。

ミステリーといえば、ミステリーですがSFや冒険活劇としての要素の方が高いかなとは思いますが。

内戦が続くコンゴに傭兵が雇われ、とある作戦が行われる事に。

その作戦は表向きとは別に、裏側には人類にとって危機になるのではないかと恐れられるものがあり、アメリカは全力でその要素を排除にかかる。

同時期に、突然の父親の死に直面した大学院生が、父親の意思をわけもわからないまま継ぐことになり、国家権力から逃れるように、東京の外れにある、3つの政令指定都市に接する町に行く事になり、そこで自分の能力を上回る研究をする羽目になる。

ジェノサイド、大量殺戮という人間が行う最も残虐な行為、しかし、有史以来耐えた事がない戦争という現実。

こういった問題に対して、果たして人類とはどれほどのものなのだろうか?という平和や正義、人類という種そのものへの疑問や、それとはまた別に自分が大切に思っている存在に対しては、自らの命を投げ出す事も厭わない側面などなどを、SF要素やアメリカという国家(その中でもピンポイントでネオコン批判なスタンス)の行っている正義という大きな事を扱っている一方、物語のキーとなる部分が東京のローカルな一角で進んでいくというギャップはなかなかに面白いものがありますね。

細かい所を言うと、市や最寄駅という単位は実在のものですが町名に関しては実在しない地名だったりするのですが、まぁこれは気付く人はごく限られた人でしょうというか、普通は気にしない事なので横においておきますが。

物語全体としては、大風呂敷を広げた形のものとしてはテンポもよく、ページ数の長さがある中でも苦も無く読めますね。

ただ、平和であるとか虐殺という問題を扱う視点というか、影響されているイデオロギー的なものは、やや古いというか、日本の戦後教育のど真ん中な善悪価値固定のもとでやりすぎていて、使わなくてもいい表現を入れているかなと思わなくはないですね。

まぁ、気にならない人には気にならないですし、やや古めの善悪価値固定的なものが、それ自体を全否定するのも、エンターテインメント作品を読む上で野暮なことにもなるので、スルーするのも、大人な読者かなと思ったり。

とりあえず、このミスで1位をとった作品という事で、読者も結構な数になるとは思うので、読んだ読者の中にストーリーがどうとかよりも、町田という地名さえ頭に刻み込まれれば、私は大満足です!
ジェノサイドジェノサイド
(2011/03/30)
高野 和明

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