FC2ブログ

今日の読書 勝ち逃げの女王/垣根涼介

『君たちに明日はない』からはじまる、リストラ請負人シリーズの4作目になります。

シリーズものというものは、どうしてもシリーズと言う事が枷になってしまい、同じような話を繰り返すとマンネリ扱いをされてしまったり、方向性を変えるとこれは望んでいたものではないという扱いをされたりする事が多くあります。

シリーズものを読む楽しさは、話そのものよりも、登場人物にまた会える事を楽しんでいるという所に落ち着く人は結構いるのではないかと勝手に思います。

もちろん、シリーズものでも連続しているものは、この先どういう所へ行くのかという楽しみ方もありますし、また時系列通りに作品を発表するのではなく、先にはこういう事になるんだよというのを提示して、その間にどういう事があるのかを埋めていくというスタイルの物もあります(そして、そういうシリーズがなかなか発表されないと催促したくなる)

シリーズが進む事による変化というのに、登場人物の成長というのが一番多くあるものでしょうか、特に学生が主人公だったりすると分かりやすく進学したり立場が変わったりする物ですが、逆に学生のように短期間に強制的に立場が変化する物と違い、最初から社会人を主人公にした物は、出世や転勤という変化を強制的につける事はできても、それが上手くはまるかと言うと、なかなか難しいのではないかと勝手に思います。

前置きはこの程度にして、リストラ請負人シリーズは、当初は会社にしがみつくダメ社員をどうやって退職に追い込むのかという話がメインでありました。

会社にとって不利益になる事は明らかだけども、法律上簡単に解雇もできず困っているけどどうしようという問題を解決するものですね。

これはこれで、面白いものでしたが、長らく続く不況からちょっと生々しいというか明日は我が身というか、楽しみきれないという層もでてきたのではないかと勝手に思いますし、ダメ社員を解雇して、それでめでたしめでたしかと言うと、決してそうではないという現実というのもあり、徐々に変化の兆しが現れて、前作からはリストラした社員の有効活用法というところまで頭を使うという流れになってきました。

今作は、ダメ社員をどうにか解雇しようという話は4本収録された話の中に1本もありません。

元ネタになっている企業は誰でも頭をよぎるような有名どころだったりするくらいのもので、リストラをしないといけないが、みんなが泥船から逃げるように逃げられてしまうと困るから引きとめるという流れの物が2本ありますし、他も人が働くという事について、会社にしがみつく事だけではなく、人間、求められてなんぼという考え方になっていますね。

シリーズ4作目にして1作目とかなり趣が変わりましたが、シリーズの中でこれが一番好きかもしれないですね、ひょっとしたら精神状態によっては、ざまぁみろ!と思える1作目の方が爽快に感じるかもしれないですが(苦笑)
勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4勝ち逃げの女王: 君たちに明日はない4
(2012/05/22)
垣根 涼介

商品詳細を見る

テーマ : 読んだ本の感想等
ジャンル : 小説・文学

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「勝ち逃げの女王」/垣根涼介

「勝ち逃げの女王」/垣根涼介(新潮社) シリーズ第三作、『張り込み姫 ―君たちに明日はない3―』を、この本を読む前に復讐・・・もとい復習の意味で読んでおきましたこのシリーズの描かれる主軸となるのは、リストラ請負人(面接者)被面接者の攻防戦勝ち逃げの女王...

コメントの投稿

非公開コメント

おまけ

カレンダー
01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
最新記事
最新トラックバック
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

茶留蔵

Author:茶留蔵
心身ともに不健康で知性が大いに不自由な社会不適合者

タグ
おまけ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター
現在の閲覧者数:
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
義援金募集
FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして
検索フォーム
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

RSSリンクの表示
ニューリリース
メタル
QRコード
QR
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる